カブスは9月6日ポストシーズン進出確率92・4%から惨敗 それでもロス監督に任せ続ける理由は?

2023年10月02日 12:41

野球

カブスは9月6日ポストシーズン進出確率92・4%から惨敗 それでもロス監督に任せ続ける理由は?
カブスのロス監督(左)=AP Photo By AP
 シカゴ・カブスは9月6日終了時点で、ポストシーズン進出確率は92・4%、地区優勝を争うブルワーズともわずかに1・5ゲーム差だった。しかしそこから7勝15敗。1点差負けが6度、2点差負けが4度である。公式戦最後の1週間を迎えた時点でもワイルドカード枠での進出確率は58%だったのに、ブレーブスにスイープされ、ブルワーズにも負け越した。理由はいくつかある。
 大事な終盤戦でチームリーダーのダンスビー・スワンソンが打撃不振、打線をけん引してきたコディ・ベリンジャーもチャンスに打てなかった。ブルペンも9月になってケガ人が増え、層の薄さが露呈。良かったはずの守備も乱れ、自責のつかない失点が目立った。とはいえこういう展開になって、通常一番に責められるべきは監督だ。デビッド・ロス監督も「チームが思っていた場所に行けなかった。自分は指揮官だし、まずは自分が責められるべき」と認めている。

 16年に世界一に輝いたカブスは、「次の偉大なカブス」の時代を築くべく、21年から再建を開始、早くも3年目の今年、既に書いたように9月上旬にポストシーズン進出確率92・4%の地点にたどり着いた。絶好のチャンスだった。ロス監督の采配については批判がある。ブルペンの起用の仕方がまずい、打順の組み方が良くない、ベテランに頼りすぎるなどなどだ。しかしながら1日(日本時間2日)、カブスのジェド・ホイヤー編成本部長とトム・リケッツオーナーは監督をサポートし続けると表明した。6月8日の時点でカブスは26勝36敗の借金10個。そこから盛り返しポストシーズン争いをしたからだ。

 「大きく負け越していたのに、チームの士気を高め焦点を絞らせた。もちろん選手が頑張ったからだが、率いたのはロス監督。注目に値すること」と編成本部長。オーナーも、最終戦の試合前に監督室で話した後、地元メディアに対応。「監督は良い仕事をした。選手たちも彼のためにプレーすることを好んでいる。試合へのアプローチは堅実だしバランスが取れている」と説明している。2人からの支持表明について、ロス監督は「感謝している。オーナーもフロントオフィスも素晴らしい一流の人たち。ただこのチームでは期待値が大きい。より高いスタンダードがあって、私はそれを目指さねばならない」と語っている。

 ロス監督のお手柄もいくつかあげられる。なかなか調子が上がらず苦しんでいた鈴木誠也を8月上旬いったんスタメンから外し、一息つかせて、終盤1カ月半の大活躍に導いた。左腕ジャスティン・スティールについては、以前監督がバッテリーを組んでいたジョン・レスターからのアドバイスを受けられるようにし、サイヤング賞候補にまで成長させた。打線の軸となったコディ・ベリンジャーをドジャースから獲得できたのは、ロス監督が誘ったからだ。

 カブスはビッグマーケットチームで、目標は世界一。先日もホイヤー編成本部長が来日して、山本由伸や今永昇太を直接スカウト、大谷翔平の獲得にも動く可能性がある。日本の野球ファンにとっても注目の球団でゆえにロス監督の去就が気になったが、続投が決まっている。

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