引退登板の広島・一岡「僕は幸せ者」 家族が見守る中、最後のマウンドで投じた渾身の8球

2023年10月02日 05:45

野球

引退登板の広島・一岡「僕は幸せ者」 家族が見守る中、最後のマウンドで投じた渾身の8球
<広・神>胴上げされる一岡(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島5-6阪神 ( 2023年10月1日    マツダ )】 2点劣勢の6回に最後の出番が訪れた。広島・一岡は本拠地の大歓声を浴びてマウンドに向かった。先頭の島田との対戦ではフルカウントから外角への144キロ直球で見逃し三振。最速145キロを計測するなど、渾身(こんしん)の8球すべて直球勝負で最後の力を出し切った。
 「3連覇も経験できて、最後はこのような舞台をつくってもらって、僕は幸せ者。真剣に勝負ができました」

 1死を奪うと、マウンドに駆けつけた新井監督から「ザキ(中崎)にボールを渡してくれと」と言われた。リーグ3連覇時の継投リレーをほうふつとする状況に一岡も「グッとくるものがあった」とかつての思い出に浸った。

 始球式には長男・大凱くんと次男の凌生くんが登場。夫人、両親も見守る中で、最後の登板を終えた12年目右腕は「家族の前で最後投げられてよかった」と安堵(あんど)した。引退セレモニーではチームメートから胴上げされ、8度宙を舞った。「悔いや後悔はない。感謝の思いでいっぱいです」。晴れやかな表情で、背番号30のユニホームに別れを告げた。

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