エンゼルス・大谷 手術は“TJの上からTJ” じん帯損傷軽度?新しい手術法か 馬見塚氏の見解

2023年10月02日 02:30

野球

エンゼルス・大谷 手術は“TJの上からTJ” じん帯損傷軽度?新しい手術法か 馬見塚氏の見解
<エンゼルス・アスレチックス>試合前、ファンに手を振る大谷。左手には腱を移植したあと(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 エンゼルス・大谷の右肘の手術方法は未公表のまま。この日明らかになった左前腕の手術痕から、これまで100例以上のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)の執刀経験がある「ベースボール&スポーツクリニック」の馬見塚尚孝理事長(55)が、改めて分析した。(取材・柳原 直之)
 写真を見ると、左肘上に紫斑(皮下出血の痕)と4枚ほどステリストリップ(傷口の広がりを予防するためのテープ)が貼られ、右肘がギプスで固定されている。左肘より先の前腕にある長掌筋(ちょうしょうきん)を採取し、右肘に移植する手術だったのは間違いないだろう。

 考えられる手術法は(1)トミー・ジョン(TJ)手術、(2)TJ手術と人工じん帯による補強を同時に行う手術、(3)18年にTJ手術を行ったじん帯を傷つけることなく、その上を自身の腱で覆うように補強する最先端の手術。(3)はTJ手術の上からTJ手術を行うようなイメージだ。

 19日の手術後にネズ・バレロ代理人は球団を通じて「当面の問題を修復し、右肘の寿命を延ばすために生存可能な組織を追加しながら、適切な位置に健康なじん帯を補強した」と声明を出した。この声明などから“補強”や“修復”で(1)は考えづらい。“生存可能な組織”の説明だけで(2)も根拠として不十分だ。長掌筋を採取したことは確実で(3)の新しい手術法の可能性が現実的だ。じん帯の損傷は軽度かもしれない。

 術後12日目。左腕の傷口は治っているとみられ、広がりを予防するためにテープが貼られている。左前腕の腱を引き抜き、止血ができないため、左前腕下部に皮下出血の痕が残ることがある。(ベースボール&スポーツクリニック理事長、東工大野球部コーチ)

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