「私から野球を取ったら何も残らない」大垣日大・阪口監督勇退会見 甲子園35度出場の79歳名将

2023年10月02日 10:42

野球

「私から野球を取ったら何も残らない」大垣日大・阪口監督勇退会見 甲子園35度出場の79歳名将
勇退会見に臨んだ大垣日大・阪口慶三監督(撮影・河合 洋介) Photo By スポニチ
 甲子園で春夏通算35度出場、歴代7位タイの通算40勝を挙げた大垣日大(岐阜)の阪口慶三監督(79)が2日、大垣市内の同校で勇退会見を開いた。
 「健康による事情で今年に入ってから疲れが残るようになり、グラウンド上で生徒を褒めたり叱ったりする声が出なくなった。これが大きな原因です。これ以上、指導者としての責任を持ってやることは不可能だと思って、校長に申し上げました」

 同監督は、東邦(愛知)2年春に甲子園出場し、愛知大を卒業後の67年から母校監督に就任。「阪口マジック」と呼ばれた卓越した戦術を駆使し、89年選抜で頂点に立った。05年3月で母校を辞し、同年4月からは大垣日大の監督に就任。同校の甲子園初出場となった07年春に準優勝に導くなど、今夏まで春夏通算11度の出場を果たした。

 「監督をやっているうちは、57年というものが本当に長かったかというと、少しも長く感じなかった。無我夢中の毎日を送ってきた。それが今、ここで挨拶をさせてもらっている。そんなに長く感じない。57年は長いのだな…と今しみじみ感じています」

 昨春選抜で史上初の昭和、平成、令和3元号での勝利監督となり、今夏は79歳3カ月で最高齢出場と最高齢勝利を塗り替えた。

 「阪口慶三に野球を取ったら何も残らない。(今後も)熱い気持ち、熱いものを何かにぶつけてみたい。それがまた野球になるかも分からない。どこかでやってみようかと、そういう気持ちになるかもしれないですね」

 最後の1年となった今年は孫の高橋慎(3年)とともに春夏連続で甲子園出場し、「孫と3年間、本当に充実した毎日だった。その孫が卒業する。それが僕の気持ちを引退、勇退という考えになったことは間違いない」と言及。「監督は孫を特別な目で見るのではないか…と思われないように、できるだけグラウンドで話すのをやめようと思った。叱るならば孫を叱った方がいいということで、人一倍孫には厳しくあたった。そういう点は孫もかわいそうだなと思ったりもしました」と振り返った。

 後任には高橋正明副部長が就く見込みで、「間違いなくやれるでしょう」と激励した。

 ◇阪口 慶三(さかぐち・けいぞう)1944年(昭19)5月4日生まれ、愛知県出身の79歳。東邦では投手兼一塁手で2年春に甲子園出場。愛知大卒業後の67年に東邦の監督に就任し、89年選抜で優勝。05年4月から大垣日大を率い、07年選抜で準優勝など甲子園出場35度で歴代7位の40勝(34敗)。主な教え子に山田喜久夫、朝倉健太、橋本侑樹ら。

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