星稜 芦硲主将が狙う「選抜初」の父子2代V「父が優勝しているし、いよいよだな、と」 初陣の相手は田辺

2024年03月09日 04:45

野球

星稜 芦硲主将が狙う「選抜初」の父子2代V「父が優勝しているし、いよいよだな、と」 初陣の相手は田辺
組み合わせが決まり握手する田辺・山本主将(左)と星稜・芦硲主将 (撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 星稜が、被災地の期待を背負って開幕日に登場する。ただし被災した石川県民の心情を思うからこそ、芦硲主将はあえて「勇気」などの言葉を使わずに、決意表明した。
 「自分たちが石川の方々に勇気や元気を与えられる立場ではない。それでも全力でプレーする姿を見てもらえたらいいなと思います。高校生らしく星稜らしく元気ハツラツとプレーしたいです」

 選抜は1924年の第1回大会から今春で100周年。芦硲が狙うのは、その長い歴史の中でも前代未聞の快挙だ。父・太輔さんは97年の69回大会を制した天理(奈良)の優勝メンバー。過去に父子2代の選抜制覇は、報じられた前例がない。「父が優勝しているし、いよいよだな…と。まずは初戦を勝ち切りたい」と尊敬する父が立った頂点へ向け、初戦に全てをぶつける覚悟だ。

 高校通算15本塁打超を誇る左の強打者で、3番打者として昨秋の神宮大会優勝に貢献した。その土台は幼少期に父と二人三脚で励んだ打撃練習で築いた。時には父が甲子園での経験も語ってくれた。「ずっと(甲子園は)素晴らしい場所だと聞いてきました。少しでも成長した姿を見せたいと思います」。父は「1番・二塁」で5試合に先発し、頂点に立った。自身は中軸打者として、春夏通じて同校初の優勝に貢献しようとしている。それが最高の親孝行となる。

 山下智将監督は父・智茂元監督の実家があり、今回の震災で甚大な被害を受けた輪島市に思いをはせた。「好きな町並みが崩れてしまった。選手には一生懸命やることで何かが伝わるのであれば…とプラスに考えてやってほしいです」。さまざまな思いを胸に秘めガムシャラに戦う星稜ナインの姿は、きっと被災地の希望の光となる。 (河合 洋介)

 ◯…星稜・芦硲晃太主将の父・太輔さんは天理(奈良)の二塁手として97年選抜で優勝。今大会を星稜が制すれば父子2代選抜制覇となる。父子2代での全国制覇は83、85年夏に優勝したPL学園(大阪)・清原和博と23年夏を制した慶応(神奈川)・清原勝児の清原父子がいるが、選抜に限れば資料が乏しい戦前も含めて過去に報じられた例はない。

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