芦原妃名子さん急死 名作「砂時計」聖地・仁摩サンドミュージアム局長が感謝「漫画は救世主でした」

2024年01月30日 14:45

芸能

芦原妃名子さん急死 名作「砂時計」聖地・仁摩サンドミュージアム局長が感謝「漫画は救世主でした」
島根の「仁摩サンドミュージアム」公式インスタグラム(sand.museum)から
 「世界一大きな砂時計」を目当てに多くの観光客が訪れる島根の「仁摩サンドミュージアム」が30日、同施設が描かれた大ヒット漫画「砂時計」の原作者である漫画家・芦原妃名子さん(享年50)の訃報を受け追悼。同施設の事務局長・小川英二氏は、スポニチアネックスの取材に対し「漫画は救世主だった」と、芦原さんへの感謝と施設に与えた影響について思いを語った。
 芦原さんの作風は、登場人物たちの心理描写が緻密なことで知られていた。「砂時計」では累計700万部を突破する大ヒット。少女が大人の女性になるまでのナイーブな感情や恋愛観のゆらぎを繊細に表現。多くの女性の共感を集め、05年に小学館漫画賞を受賞した。

 漫画「砂時計」は、冒頭から「砂時計」が登場する。主人公・杏が、幼少期に母と「仁摩サンドミュージアム」を訪れた場面を思い出すことをきっかけに、物語が展開していく。

 同作は2007年にTBSでドラマ化、翌年には映画化もされ、同施設は映像化のロケ地にもなり、多くのファンが“聖地巡礼”として訪れていた。

 同施設の小川事務局長は、スポニチアネックスの取材に対し、「漫画『砂時計』は芦仁摩サンドミュージアムの救世主といっても過言ではないと思っており、先生には感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝。「1991年のオープン時、年間30万を記録した入館者も以後右肩下がりで下降を続け、2004年にはピーク時の9%まで落ち込みました。それがこの漫画、ドラマ、映画のおかげで2005年頃から徐々に増加し2008年にはピーク時の42%まで回復、今でも漫画のファンの方がお見えになります」と説明し、「もし、漫画『砂時計』が無かったとしたらどうなっていただろう…と思うことがあります」と、多くの読者に愛された漫画の影響は計り知れないとした。

 また、小川氏によると、連載当時に施設に勤務していた社員は「日常で見慣れている風景や砂時計が漫画となって登場して、大変うれしく誇りに感じました」と感動していたという。03年の連載から今なお愛される名作。この日も、訃報を受けた同作のファンが施設を訪れたと明かした。

 小川氏は「開館以来33年が経過しましたが、その間県内においても沢山の施設が閉館して行きました。お陰様で仁摩サンドミュージアム及び一年計砂時計『砂暦』は、沢山の方々に支えられて今も開館し悠久の時を刻み続けております」と、作品と作品のファンへ向けた感謝を込めた。

 芦原さんは「砂時計」のほか、昨年10月期にドラマ化された漫画「セクシー田中さん」を連載中。29日、栃木県内で死亡しているのが見つかった。26日にSNSで「…田中さん」のドラマ脚本を巡るトラブルを公表したばかりだった。

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