「セクシー田中さん」原作者急死 北村弁護士、過去の裁判もとに説明 「凄い」「これを早く知りたかった」

2024年02月15日 09:33

芸能

「セクシー田中さん」原作者急死 北村弁護士、過去の裁判もとに説明 「凄い」「これを早く知りたかった」
北村晴男弁護士 Photo By スポニチ
 弁護士の北村晴男氏(67)が、15日までに公式YouTubeチャンネルを更新。昨年10月期に日本テレビでドラマ化された漫画「セクシー田中さん」の芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題について、弁護士の立場から見解を述べた。
 芦原妃名子さんの訃報は1月29日に伝えられた。芦原さんは1月26日に更新した自身のXで、脚本をめぐり局側と折り合いがつかず、自らが9、10話の脚本を書くことになったとして視聴者に向けて謝罪。当初提示していた「漫画に忠実に描く」などの条件が反故になっていたと明かしていた。

 この件に関し、北村弁護士のもとに「日本の法律では、原作者を守る法律はないのですか?」という質問が寄せられた。

 北村氏は、「セクシー田中さん」について「2017年から連載をしていて、現在も継続中の漫画。大変人気のある漫画。その原作『セクシー田中さん』を使ってドラマ化するわけですから、原作者の芦原さんには著作者としての権利があります」と主張した。

 続けて「難しいことはさておき、『著作者人格権』というものがあり、その中に『同一性保持権』というのがあります」と具体的に説明。「同一性保持権」とは、「著作物及びその題号につき著作者(著作権者ではないことに注意)の意に反して変更、切除その他の改変を禁止できる権利」だという。

 北村氏は、これを「著作者の頭の中にある原作を勝手に変えてはいけない権利」と説明。法的にみると「損害賠償や“元に戻せ”と言う権利が発生する」と指摘した。

 この権利は、過去の判例を見ると「一語一句変えることができない」「句読点ひとつをとっても問題になる」というが、一方で、原作者が「OK」といえば問題には問われず。「一般論ですが…“変えてもらっては困ります”と言わなければ、同意したものとみなされる」とした。

 テレビ出演も多い北村氏は、番組制作側の立場も見てきたうえで、「原作者の思いとずれていくことは当然ある」と指摘し、原作者にはこの“ズレ”を「引き戻す権利がある」という。「だからこそ、原作者としての思いがちゃんと表現されているかどうか、これをチェックするには時間がかかる」と、“ズレ”を直していくには膨大な時間がかかると主張。

 「芦原さんはおそらく、“大変だけれども十分チェックしていこう”と、そういう思いをもってこのドラマ化をOKされたんだと思います。ところが芦原さんの思いとは裏腹に、内容を変えないでくださいねという思いよりも、変わった脚本が上がってくる、そのたびにストレスを抱えながら“これじゃ困るよね”と突き返したり、“ここを変えてください”と言ったり、そのような作業をずっとしてきて…大変な思いをされたと思う」と私見を述べた。

 この動画には「凄いわかりやすい説明ありがとうございます。勉強になります」「原作は恋愛ものではなくて人々が周囲と関わっていくことで自分らしさや自己肯定を学んでいく成長を描いた漫画だったんですけど、ドラマは大衆受けし易い恋愛ものになってましたね。原作が好きだったので読んでました」「風化させてはいけない」「海外では出版代理人がいて印税交渉や映像交渉などするのが普通なのに日本ではほとんど行われていないのですが理由はなぜですか?」「これ労災になりませんか?」「この件ずっと気になっていたので取り上げて頂けてありがたいです」「やはり法律で喋ってもらうとわかりやすいです」と、さまざまなコメントが寄せられた。

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