【米アカデミー賞】日本2作品受賞の背景にゴジラのコストパフォーマンスとジャパンアニメの先鋭化

2024年03月12日 05:15

芸能

【米アカデミー賞】日本2作品受賞の背景にゴジラのコストパフォーマンスとジャパンアニメの先鋭化
 アカデミー賞の視覚効果賞に輝いた山崎貴監督(AP)
 【第96回アカデミー賞授賞式 ( 2024年3月10日    ロサンゼルス・ドルビーシアター )】 米映画界最大の祭典、第96回アカデミー賞の授賞式が10日(日本時間11日)、ロサンゼルスのドルビーシアターで行われ、山崎貴監督(59)の「ゴジラ―1.0」が視覚効果賞、宮崎駿監督(83)の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞した。視覚効果賞は、日本はもちろんアジア映画として初の快挙。宮崎監督は「千と千尋の神隠し」以来21年ぶり2度目の戴冠。日本映画がハリウッドに大きな足跡を残した。
 日本の2作品がオスカー像を獲得した快挙に、映画評論家の稲田隆紀氏は「ハリウッドでも実績のある宮崎アニメとゴジラ。新鮮さはなくても、協会も安心して賞を授けられたでしょう」と語る。

 とりわけ日本映画で初めて視覚効果賞を贈られた山崎監督の「ゴジラ―1.0」の低予算にはハリウッド関係者も驚いた。稲田氏も「安くてもあれだけの映像を作り、評価を得た。山崎さんは『ALWAYS 三丁目の夕日』でもそうでしたが、過去の風景を再現するのが巧み。(所属する)白組のメンバーももっとクローズアップされていい。受賞は若手にも刺激になったはず」と強調した。

 一方、アニメに関しても「ジブリだけでなく意欲作が多い。黒川智之監督の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(22日公開)もいい出来。ますます先鋭化していくと思います」と分析した。

 巨大市場を誇る中国と韓国が配信ビジネスに完全シフトし、劇場公開作品の質の低下が指摘される中で、逆に出遅れた日本にビジネスチャンスが訪れているという声も聞かれる。「ドラゴンボール」などで知られる鳥山明氏の悲報が世界に衝撃を与えたように、ジャパニメーションと特撮モノがますます光を放っていきそうだ。

 ≪ハリウッドも見習うべき≫ 東宝は未発表だが、米メディアは「ゴジラ―1.0」の製作費を1500万ドル(約22億5000万円)と報じ「この低予算で、あれだけのクオリティーが出せることが証明された。ハリウッドも見習うべき」との論調が多かった。今回、同時にノミネートされたほか4作品は100億~400億円以上の製作費を投入したと言われている。

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