【米アカデミー賞】宮崎駿監督が21年ぶり長編アニメ賞 黒澤明監督に続く個人3個目オスカー像

2024年03月12日 05:20

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【米アカデミー賞】宮崎駿監督が21年ぶり長編アニメ賞 黒澤明監督に続く個人3個目オスカー像
宮崎駿監督 Photo By スポニチ
 【第96回アカデミー賞授賞式 ( 2024年3月10日    ロサンゼルス・ドルビーシアター )】 米映画界最大の祭典、第96回アカデミー賞の授賞式が10日(日本時間11日)、ロサンゼルスのドルビーシアターで行われ、山崎貴監督(59)の「ゴジラ―1.0」が視覚効果賞、宮崎駿監督(83)の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞した。視覚効果賞は、日本はもちろんアジア映画として初の快挙。宮崎監督は「千と千尋の神隠し」以来21年ぶり2度目の戴冠。日本映画がハリウッドに大きな足跡を残した。
 スタジオジブリのスタッフは、東京都小金井市のオフィスに約50人が集まり、授賞式の生中継が流れるモニターに見入った。プレゼンターが「君たちはどう生きるか」の英題「The Boy and the Heron(少年とサギ)」の「The」と言った瞬間、「おー!」と大きな拍手が起こった。涙を流すスタッフもいた。宮崎監督は現地に赴かず、中島清文副社長らがバックステージでオスカー像を受け取った。

 オフィスでは鈴木敏夫プロデューサー(75)が喜びの記者会見。自身のアトリエで結果を待った宮崎監督は姿を見せなかったが、受賞前に顔を合わせ「“日本男児としてうれしい顔は見せられない”と言いつつ、喜びがこぼれてたね」と明かした。受賞後に電話し「心の底から喜んでました。おめでとうございますと伝えたら、“お互いさまです”と言ってました」と語った。宮崎監督は2014年に名誉賞を受けており、日本人の個人で3個のオスカーは黒澤明監督に続く2人目の快挙となった。

 宮崎監督の10年ぶりの新作長編となる冒険ファンタジー。引退宣言を撤回し、完成まで7年かかった。日本では一切の宣伝をせず昨年7月に公開されたが、今月3日時点で興行収入89億円と大ヒット。世界50カ国でも上映され、2月29日時点で北米での興収は約4600万ドル(約69億円)を記録している。アカデミー賞の前哨戦とされるゴールデン・グローブ賞と、英国アカデミー賞で、日本作品として初めてアニメ映画賞を受賞。本家アカデミー賞にも期待がかかっていた。

 宮崎監督の近況について鈴木氏は「絵を描き続けている。絵は衰えを知らないですよ」と力説。気になる次回作については「白紙」としたが「短編アニメをやってほしいと、何度も言っている」と明かした。20日からは英語版も公開される。


 ≪ヒゲなしで話題に≫ 今月3日に米アカデミー賞の公式YouTubeチャンネル「Oscars」で公開された動画内で、トレードマークであるヒゲのない宮崎監督の姿が話題になっている。鈴木氏は会見で「僕が“そったら?”と言ったんです。本人は嫌がってましたよ」と舞台裏を明かした。その後の監督の様子について「やたらと鏡を気にするようになりましたね」と笑った。

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