「セクシー田中さん」脚本家のSNS投稿、日テレは認識も「騒動の拡大を避けるため」対応せず 経緯説明

2024年05月31日 17:00

芸能

「セクシー田中さん」脚本家のSNS投稿、日テレは認識も「騒動の拡大を避けるため」対応せず 経緯説明
日本テレビ社屋 Photo By スポニチ
 日本テレビは31日、昨年10月期放送の連続ドラマ「セクシー田中さん」原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題について、東京・汐留の同局で「社内特別調査チーム」が会見を開き、調査結果を報告した。
 この日公開された調査報告書では、議論を呼ぶ発端となった脚本家と原作者双方のSNS投稿について触れた。調査の結果、原作の芦原さんは、制作の過程で局側に不信感を募らせ、第9、10話に「創作を入れないで欲しい」と、自身が脚本を書くと主張。同局は「原作者がドラマ化を許諾する権利を持つ以上、原作者の意向に背くことはできない」と判断し、脚本家を降板させ、9話のクレジットに脚本家の名前を表示しなかった。

 その結果、脚本家は昨年12月24日と28日に、原作者が9、10話の脚本を書くことになった経緯をSNSに投稿した。

 この投稿がさまざまな議論を呼び、芦原さんもブログで経緯を説明するに至った。

 最初の脚本家の投稿に関し、同局は「表現の自由に照らして個人アカウントの発信阻止は難しい上、本件脚本家がクレジット問題で法的措置の可能性を示していたため投稿を止めるのは逆効果」と判断したという。

 脚本家のSNS投稿を認知しながら、「日本テレビは、さらなる騒動の拡大を避けるため、また、脚本家個人のSNS投稿を取り下げるよう求めることは法的に難しいのではないかという法務見解もあったため、削除を求める、公式コメントを出すなどの対応は控えた」と明かした。

 日本テレビが公開した「クレジット・SNS問題」に関する経緯は、以下の通り。

▽本件原作者から、本件脚本家を降板させて欲しいと強く要求を受け、日本テレビはこれを受け入れる判断をした。

▽その結果として、本件原作者が9、10話の脚本を自ら執筆することになったが、これらの日本テレビの判断には、原作契約が未締結であったことが不安視されたという側面もあった。

▽本件脚本家は日本テレビからの強い説得を受けてやむを得ず上記の決定を受け入れたが、せめて9、10話に自分が関与したこと示すクレジットを入れるように要望した。しかし、結果としてこれは受け入れられなかった。放送を守りたい日本テレビは、本件脚本家のクレジット表記を認めないという本件原作者の意向に従わざるを得なかったとみられる。

▽日本テレビは、上記判断に至ったことを本件脚本家に説明しようと試みたが、本件脚本家をきちんと納得させることはできなかった。これは、本件脚本家が、当初クレジット表記の決定権は日本テレビにあるという説明を受けていたことも影響したとみられる。

▽こうした流れが本件脚本家はSNSへの投稿に繋がったが、日本テレビは、さらなる騒動の拡大を避けるため、また、脚本家個人のSNS投稿を取り下げるよう求めることは法的に難しいのではないかという法務見解もあったため、削除を求める、公式コメントを出すなどの対応は控えた。

▽本件原作者は、本件脚本家の投稿による世間の反応を気にしてブログ等への投稿を行ったとみられる。この時点では、事態の収束のために日本テレビとして取り得る選択肢はほんどなかったといえるが、そうであれば、このような事態に至るもっと前に適切な対応を取っておくべきであったと思われる。

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