成城・安田兄弟が躍動　兄・懸はランニング弾！弟・渉は代走で盗塁　公式戦初二遊間組んだ

2023年07月09日 04:30

野球

成城・安田兄弟が躍動　兄・懸はランニング弾！弟・渉は代走で盗塁　公式戦初二遊間組んだ — ＜成城・都産業技術高専＞兄弟で二遊間を守った成城安田兄弟。兄・懸（左）、弟・渉（左）（撮影・小渕　日向子） Photo By スポニチ

【第105回全国高校野球選手権東東京大会1回戦成城19－1都産業技術高専（ 2023年7月8日神宮）】第105回全国高校野球選手権（8月6日開幕、甲子園）の出場校を決める地方大会は8日、32大会で171試合が行われた。首都圏も本格開幕となり東東京大会では成城が都産業技術高専に19―1で5回コールド勝利。安田懸（かける）内野手（3年）と渉（わたる）内野手（1年）の兄弟が躍動した。

　走る。俺たち兄弟の目標は、ずっと先にある。東東京大会の開幕戦で、第1号は成城・安田懸のランニング本塁打。息を切らせて生還し「走者を還そうという気持ちだけで打った。正直（本塁まで）行けると思わなかった」と笑顔で振り返った。

　「3番・二塁」で出場。初回に1点を先制しなお無死三塁で、低め直球を左中間に運んだ。守備の乱れもあり一気に生還。夏の初戦という大事な試合で、日頃から熱心に取り組んでいたベースランニングが生きた。ベースのどこを踏むか、いかに膨らまずに時間をロスすることなく回るかを常に考えて練習。まさかの「珍打」による高校初本塁打につながった。打線は初回に10点を奪うなど19得点。コールド勝利を飾った。

　心強い存在がいる。代走で途中出場し盗塁もマークした弟の渉だ。「何でも分かっている関係。相棒みたい」と表現する弟は遊撃に入り、公式戦で初めて兄弟で二遊間を守った。「かけ」と「わた」と呼び合う両者は自宅の「素振り部屋」で汗を流すのが日課。試合の日は母・真希さんの手作り弁当で力をもらう。兄弟が家族への感謝を胸に躍動。観戦した真希さんは「いつもより気持ちを込めてお弁当を作りました。感無量です」と喜んだ。

　昨夏、チームは雨に泣いた。都紅葉川との2回戦が雨天で継続試合。その後に2度も中止となるなど5日間にわたった末に敗れた。先輩の悔しさも晴らす使命もある懸は「強い相手が続くので気を引き締めたい」と誓う。「できるだけ（兄弟で）長く一緒に」と渉。兄弟がともに挑む、最初で最後の夏。初戦突破は、まだまだ序章だ。