白血病を乗り越えた上溝南・関高佑が逆転への流れ呼び込む 「代打、俺」から公式戦初安打

2023年07月09日 15:32

野球

白血病を乗り越えた上溝南・関高佑が逆転への流れ呼び込む 「代打、俺」から公式戦初安打
<上溝南・厚木西>7回、代打で登場し中前打を放った上溝南の関高(撮影・村井 樹) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権神奈川大会1回戦   上溝南10―3厚木西 ( 2023年7月9日    中栄信金スタジアム秦野 )】 7回に一挙8得点した上溝南がコールド発進。代打で出場し、打線に火を付けた関高佑内野手(3年)は「チームがつないでくれて、自分に回してくれた中で一本出せたのはうれしいです」と胸を張った。
 この夏に懸けていた。高校入学前に白血病と診断されると、入学後には特発性大たい骨頭壊死症も発症。入院生活や松葉づえでの生活が続き、思うように野球ができない期間が長かったが、決して諦めなかった。

 本格的に練習をこなせるようになったのは今年2月から。チームのために何ができるか考えた結果、「代打の切り札」として誰よりもバットを振り、最後の夏に備えてきた。

 その出番がついにやってきた。1点リードを許した直後の7回1死一塁。試合展開を見ながら選手交代を浅井彬宏監督に進言するヘッドコーチの役割も担う関は「代打、俺」を宣言。ベンチの仲間からもスタンドからも大声援を受けて打席に立つと、初球の変化球を見事に捉えて中前打。「最高でした」と、一塁上では何度もベンチに向かって雄たけびをあげてチームを鼓舞。打線もこの一打で火が付いたようにつながりこの回一挙8得点で試合を決めた。

 家族も見守る中、最高の場面で公式戦初安打を放ち「お母さんにヒットをプレゼントしたかったのでうれしかった。打ってやったぞって言いたいです」と最後まで笑顔だった関。次戦は3連覇を狙う強豪・横浜。「またいいところで打てれば」と、強豪相手にも臆することなく、再びの活躍を誓った。(村井 樹)

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