パドレス・ダル MLB日本人最多1919奪三振 野茂氏の前で野茂超えた264戦目「信頼できる方」

2023年08月16日 02:30

野球

パドレス・ダル MLB日本人最多1919奪三振 野茂氏の前で野茂超えた264戦目「信頼できる方」
<パドレス・オリオールズ>日本人メジャーリーガー最多となるメジャー通算1919奪三振を達成したダルビッシュ(AP) Photo By AP
 【ナ・リーグ   パドレス1ー4オリオールズ ( 2023年8月14日    ペトコ・パーク )】 パドレスのダルビッシュ有投手(36)が14日(日本時間15日)、本拠でのオリオールズ戦に先発。6三振を奪ってドジャースなどで活躍した野茂英雄を抜き、日本選手歴代最多のメジャー通算1919奪三振をマークした。7回8安打4失点で8敗目(8勝)を喫したが、パ軍の球団アドバイザーを務める同氏が見守った目前で、偉大な記録に到達した。
 高く上げた左膝を二塁方向へひねり一瞬、ためた力を一気に解放した。6回2死走者なし、ダルビッシュが95・2マイル(約153・2キロ)の外角高めの直球でウリアスから空振り三振。メジャー1919個目の三振で野茂氏を超え「今も昔も信頼できる方。うれしいですね」と笑った。

 7回4失点で8敗目も、メジャー12年目に大きな数字に到達した。球団ブースで観戦したレジェンドの目前での「野茂超え」。通算323試合で1918三振だった野茂氏より59試合早い、264試合目だった。同じ大阪出身。07年から交流があり、21年のパ軍移籍後はアドバイザーと選手の関係になった。オフには食事をともにし、随所で助言を受けた。「明るくて優しく、いろんなことを教えてくださる」。19年ごろから抱えた制球難の不安への「そんなの仕方ないやん」の言葉が心に残った。「“仕方ない”と言えるのはこの世界では強い。僕はそう考えられなかったので」と支えにした。

 1250奪三振だった日本時代は、奪三振率8・87。米国では10・69にアップした。野球を始めたころから「無性に執着していた」という変化球を磨き上げ、11種類といわれる球種はどれも決め球のレベル。さらに3月のWBCでも侍ジャパンの力になった、データを駆使する分析力も生かした。277三振で奪三振王だった13年の決め球は約65%がスライダーだが、今季の131三振は5つの球種でそれぞれ20個以上。対戦相手のオリオールズのブランドン・ハイド監督も「何を投げるのかまったく分からない。どんなカウントでも何でも投げることができる」と称えた。

 日本投手初の30球団勝利はお預けとなったが、次の目標はあと4勝で、野茂氏が36歳で到達した日米通算200勝。「僕たちはみんな、彼がどれだけ偉大なピッチャーか知っている。だから、同じリーグでプレーできるだけでも大きな意味がある」。16日が37歳の誕生日のダルビッシュが、またレジェンドの背中を追いかける。

 ≪NPB3位相当≫ダルビッシュがメジャー通算1919奪三振で日本選手歴代トップに立った。MLB最多奪三振はN・ライアンの5714で、ダルビッシュは歴代103位。また、NPB時代の1250奪三振と合わせて日米通算3169奪三振。NPB最多奪三振は4490の金田正一、2位が3388の米田哲也、3位が3159の小山正明で、小山を上回る3位に相当する。

 ≪メジャー通算奪三振率は歴代5位≫ダルビッシュのメジャー通算奪三振率10・69は、通算1500奪三振以上ではセールの11・07、レイの11・03、デグロムの10・96、シャーザーの10・70に次ぐ歴代5位。10.61のR・ジョンソン、10・04のP・マルティネスを上回っている。

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