DeNA「バウアーがいる奇跡」を生かすため、残りシーズンでシンプルな戦いを

2023年08月16日 07:15

野球

DeNA「バウアーがいる奇跡」を生かすため、残りシーズンでシンプルな戦いを
<ヤ・D>9勝目を挙げたDeNA・バウアー(撮影・村上 大輔) Photo By スポニチ
 DeNAの今永昇太投手が、トレバー・バウアー投手について7月の弊紙インタビューで「僕らは今、奇跡を見ている」と表現した。記者は取材する立場で、冷静にバウアーのことを見続けてきた。だがついに、今永同様に右腕のことを「奇跡」と思う瞬間が今月訪れてしまった。
 3日の広島戦(マツダ)。9回まで相手先発床田と0―0の素晴らしい投手戦を演じたバウアーは、延長10回のマウンドに颯爽(さっそう)と上がった。記者の判断は9回110球の時点でお役御免。9回降板でも十分に役目を果たした。だから、10回にその姿を見たときに思わず記者席で「高校野球じゃないんだから」と発してしまった。

 「勝ちたい」。その思いだけで、バウアーは10回も腕を振ったという。それだけに延長12回0―0で終わった試合に三浦監督は「バウアーに申し訳ない」と素直に頭を下げた。その熱投に記者もこみ上げるものがあった。

 その前日(2日)。取材に対応したバウアーは、シーズン終盤に優勝争いをする上で重要なことについて、自身のメジャー時代の経験をもとにこんなことを言っていた。

 「ここからの時期に選手の才能が順位を決めることはない。基礎をしっかりやれるかだけ。ストライクを取る、キャッチをする、基本的なベースランニングをする。特別なことをする必要はない。基礎を大事にしたチームが強かった」

 DeNAは春季キャンプから、ストライク先行、要所での進塁打、犠打、犠飛、先の塁を奪う走塁を徹底する意識に取り組んできた。これらは特別ではないこと。これを遂行できるか。記者もバウアーの意見に同意する。

 15日現在、首位・阪神とは11ゲーム差の3位。25年ぶりのシーズン、1月31日のキャンプ前ミーティングで「優勝を目指すのではなく、優勝する」と確認しあったチームは、まだ白旗をあげるわけにはいかない立場。

 「バウアーを見る奇跡」を「奇跡の大逆転V」に結びつけるのであれば、残り試合を「シンプル イズ ベスト」で戦っていくしかない。(記者コラム・大木 穂高)

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