ソフトバンク 敗戦の中に見えた一筋の光明 「便利屋」又吉、華麗に復活「いいアピールが…」

2023年08月21日 06:15

野球

ソフトバンク 敗戦の中に見えた一筋の光明 「便利屋」又吉、華麗に復活「いいアピールが…」
<ソ・西>3回、古市を投ゴロに抑えるソフトバンク・又吉(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク4ー6西武 ( 2023年8月20日    ペイペイD )】 ソフトバンクは20日に西武と対戦し、0―1の2回1死二、三塁で、又吉克樹投手(32)が2番手として登板し、見事な火消しに成功。「便利屋」復活を強烈にアピールした。6回に中継ぎ陣が9打数連続安打で大量5失点を許すなど、連勝は2でストップ。首位・オリックスとのゲーム差は今季最大10に広がった。また藤本監督は試合前に「7回の男」に藤井を改めて指名、奇跡逆襲劇への勝利の方程式は固まったばかりでの投壊となった。
 “便利屋”を自称する32歳の変則横手右腕が完全に信頼をたぐり寄せた。又吉が、移籍後初となる2回途中からの登板で見事に火消しに成功だ。

 「2者連続三振は出来すぎ。ピンポイントで“こういうこともできるんだ”というのを見せられた。いいアピールができたと思う」

 0―1の2回1死二、三塁で先発の高橋礼に代わってマウンドへ。追加点は避けたい状況での出番。ブルペンで準備はできていた。先頭打者の源田には今季最速149キロの内角直球で見逃し三振。続くペイトンの初球も149キロ。2球目は生命線の内角直球を切り込み過ぎて死球。2死満塁とピンチは拡大したが、マキノンを外角ギリギリ148キロ直球で見逃し三振に封じた。

 球速を更新しても、零封しても冷静で謙虚だ。「149キロ出て良かったではなく、なぜ制球できたか。データと照らし合わせたい。あと集中し過ぎて(与死球の)ペイトンに帽子を取って謝罪できてない。人としての礼儀の部分ですね」と余韻にすら浸らない。

 ただ試合は同点の6回に津森、田浦で9打数連続安打を浴びるなど大量5失点。藤本監督はこの日の試合前、勝利の方程式の確定を明かしていた。「7回藤井」、「8回松本裕」、「9回オスナ」で甲斐野、津森、田浦は7回のカバー役。その代役3人がこの日、被安打や死球を与えた。勝ちパターンに入る直前の失点でプランを試みることはできなかったが、藤本監督の又吉評はさらに上がった。

 「又吉がね、きっちり止めてくれて。勝っていれば又吉がMVPですね。ナイスピッチング」。これで7月28日ロッテ戦からの1軍復帰登板後8試合目で2、5、6、7、9回に登板。救援だけでなく、回またぎも経験した。「困ったところ、どこででも使ってもらってかまわない。ただ結果を残さないと生き残れない」。便利屋なりの覚悟も示した。

 連勝は2で止まり、あす22日からの敵地ロッテ3連戦を前に、首位オリックスとのゲーム差は今季最大10に広がった。残り38試合、負けられないが鷹には困ったときに駆けつける便利屋がいる。ピンチ、接戦でこそ心の強さが増す男は「与えられた場所で求められる結果を。打たれたら終わりと思ってやる」。常に準備し、ここぞでの出番を待っている。 (井上 満夫)

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