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阪神・伊藤将 「完封&適時打&マルチ安打」左では井川以来球団21年ぶり 岡田監督称賛「たいしたもん」

2023年08月21日 05:15

野球

阪神・伊藤将 「完封&適時打&マルチ安打」左では井川以来球団21年ぶり 岡田監督称賛「たいしたもん」
<D・神>完封勝利し、笑顔の伊藤将(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神2ー0DeNA ( 2023年8月20日    横浜 )】 阪神・伊藤将司投手(27)が20日のDeNA戦に先発し、通算4度目、ビジター球場では初の完封で8勝目を挙げた。打っても4回2死三塁でバウアーから中前適時打を放ち、自身初のマルチ安打も記録。球団左腕では2002年井川慶以来となる「完封&適時打&マルチ安打」で投打に躍動した。チームは今季3度目の対戦で初めてバウアーに土をつけ、昨年9勝16敗と苦戦したDeNA相手に早くもシーズン勝ち越しを確定。優勝マジックを自力で減らし、「26」とした。
 マウンド上ではポーカーフェースを信条とする伊藤将が、感情を爆発させた。9回2死一塁、この日の114球目。ソトの大飛球を森下が右翼フェンス手前で捕球したのを見届けると、女房役の坂本と何度も抱き合い、喜びを分かち合った。

 「最後はヒヤッとしました。(ボールの)高さは良かったんで、うわ…って感じだったんですけど。(バットの)先っぽだったんで、そこで助けられた」

 まさしく投打に「伊藤将司劇場」だった。「前回より低く丁寧に投げられていた」と内外角を効果的に使い、6回までわずか被安打2。二塁すら踏ませなかった。7回に1死一、二塁とこの日唯一、得点圏に走者を背負ったが、試合前時点で得点圏打率・429を誇った大和を遊ゴロ併殺打に仕留めると、珍しく力強いガッツポーズを繰り出した。

 「嫌な顔をするのは野手にも失礼だし、歯を見せて笑顔で投げるのも相手に隙を与えている感じがする」とこれまで試合中は無表情を貫いてきた背番号27。だが、この日は「(バウアーが)三振を取ったらすごく盛り上がっていたので。そこに負けないように、何とか投げていました」。中盤以降は毎イニング終わりに観客をあおり、味方を鼓舞するバウアーの振る舞いに自然と触発されていた。

 バットでも存在感を示した。1点リードの4回2死三塁でサイ・ヤング賞右腕の154キロを中前適時打し、7回先頭でも152キロを左前に運んでプロ初のマルチ安打をマーク。「たまたまです」と笑みを浮かべた左腕に、岡田監督は「パンチショットって言うとったんや。パンチショットせえって」と共通の趣味であるゴルフ用語を駆使して背中を押したことを明かした上で、フル稼働が続く救援陣を休ませる働きに「大したもん」と最大級の賛辞を贈った。

 通算4度目、ビジターでは初の完封を、横浜高時代に慣れ親しんだ横浜スタジアムで達成し、「最高です」と白い歯をのぞかせた。球団投手の「完封&適時打&マルチ安打」は18年藤浪以来で、左腕に限れば02年井川慶以来。頼りになる男前左腕は「もう、中継ぎにたくさん投げさせてしまっているんで。何とか休ませることができて良かった」と、さわやかに笑った。(阪井 日向)

○…伊藤将(神)の完封は4月27日巨人戦以来、今季2度目で通算4度目。過去3度は全て甲子園の巨人戦で、「巨人以外」「ビジター」はともに自身初。打っては4回中前適時打に7回左前打のプロ初マルチ安打。阪神の投手で適時打を含むマルチ安打で完封は、18年9月29日の中日戦で藤浪が5安打完封。バットで5回中越え適時二塁打、9回右前打の2安打1打点以来5年ぶり。左投手では02年6月6日の広島戦で井川慶が3安打完封。バットで2回中前適時打、5回左前打の2安打1打点以来21年ぶり。

 ○…この日の2安打はバウアーから。投手でバウアーからマルチ安打は7月17日の床田(広)2安打以来2人目。

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