甲子園に「リプレー検証」を 元NPB審判員の本紙記者提案 審判員の負担軽減&球児の後味悪い終幕減る

2023年08月22日 05:30

野球

甲子園に「リプレー検証」を 元NPB審判員の本紙記者提案 審判員の負担軽減&球児の後味悪い終幕減る
<仙台育英・神村学園>セーフ判定で議論を呼んだ3回のクロスプレー(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会第13日・準決勝   仙台育英6-2神村学園 ( 2023年8月21日    甲子園 )】 仙台育英―神村学園戦の3回に本塁でのクロスプレーを巡り、微妙な判定があった。SNS上でも上がった甲子園大会でのリプレー検証導入検討。11年から16年までNPB審判員を務めたアマチュア野球担当の柳内遼平記者(32、写真)は、大会本部のみが行使できる「限定リプレー検証」導入を提案した。
 SNSではこの日、「高校野球の審判」がトレンド入りした。議論を呼んだ3回のジャッジ。スロー映像では捕手の走者の首付近へのタッチが早かったように見えた。まず、セーフ判定に至った要因は球審の立ち位置にあった。当該プレーでは球審がマウンド―本塁の延長線上で判定したが、走者の体で捕手のタッチが死角になった。三塁―本塁の延長線上に立てれば、死角なしでタッチの有無とタイミング、走者の本塁到達を確認できた。

 ネット上では高校野球では導入されていない「リプレー検証」を求める多くの声が相次いだ。今回のケースは映像による検証があれば判定は覆り、審判員が批判を受けることもなかっただろう。ハード面で地方大会は難しいが、阪神の本拠地でもある甲子園はテレビ中継があるため、カメラの台数もある程度確保される。高野連にも甲子園での導入を検討する関係者もいる。なによりも公平性が担保され選手、審判員、ファンの全てにメリットがある。

 提案したいのはプロ野球の「リクエスト」とは違い、大会本部のみ行使できる「限定リプレー検証」だ。使用基準は「判定による混乱を防ぐ場合のみ」とし、飛球を落球したにもかかわらず「アウト」とした場合や、得点に絡むシーンでの重大な判定ミスなどに限る。意見が分かれる判定、明らかな映像がない場合はジャッジを尊重する。審判員の負担、球児が後味の悪い終幕を迎える可能性はグッと減るだろう。(柳内 遼平)

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