【甲子園】仙台育英、連覇王手 元サッカー少年の2年生・鈴木が“予告”弾

2023年08月22日 05:30

野球

【甲子園】仙台育英、連覇王手 元サッカー少年の2年生・鈴木が“予告”弾
<仙台育英・神村学園> 3回1死二塁、仙台育英・鈴木は中越え2ランを放つ(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会第13日・準決勝   仙台育英6-2神村学園 ( 2023年8月21日    甲子園 )】 今年も日本一から招待状が届いた。2点を勝ち越した3回は、なおも1死二塁。仙台育英の6番・鈴木拓斗(2年)が、高弾道でバックスクリーン右へ2ランを突き刺した。3回戦に次ぐ、今大会2号。「とても気持ちよく回れた」。ダイヤモンドを一周する時間を再び満喫した。
 カブス・鈴木に憧れる右の長距離砲にとって高校通算11号。2年生での大会2発は、19年の星稜・内山壮真(現ヤクルト)以来だ。鈴木の一発などで奪った序盤のリードを、エースの最速151キロ右腕・高橋煌稀、同153キロ右腕・湯田統真(ともに3年)の継投で守り、2年連続の決勝進出。04、05年の駒大苫小牧(北海道)以来で史上7校目となる夏連覇まであと1勝とした。

 昨夏の優勝メンバーが8人も残った3年生との絆も深い。脈々と受け継がれる勝者のDNA。2年生は3番・湯浅桜翼(おうすけ)ら6人がベンチ入りしているが、鈴木は「一試合でも多く野球がしたい」と同学年の総意を代弁した。

 兵庫県明石市出身。小3までサッカー少年だったが、2学年上で現在は関大準硬式野球部の兄・陸斗の影響で白球を追った。「お兄ちゃんがいなかったら自分は野球をやっていない」。小学時代に兄から教わったフルスイングの大切さを、今も愚直に守る。試合前夜にはLINEを通じて「次こそはホームラン」と予告していたが、一塁側アルプス席で応援した兄は「ホンマに打つとは…正直、うれしいより驚き」と仰天した。

 19年には侍ジャパンU12の代表入りを果たした逸材でもある。須江航監督の指導を受けるため、仙台育英に越境入学。昨夏の東北勢初の甲子園大会優勝は、アルプス席から目に焼き付けた。歴史が動いた一日から364日。立場は主役に変わった。「野球を始めた時から甲子園で優勝したかった」。幼き頃から描き続けた夢の実現まであと一歩。招待状を手に王座に帰還する。(柳内 遼平)

 ◇鈴木 拓斗(すずき・たくと)2007年(平19)1月28日生まれ、兵庫県出身の16歳。小4でブレーブス高丘で野球を始める。大久保中では硬式の兵庫神戸ボーイズに在籍。高校では1年秋からベンチ入り。趣味は寝ること。1メートル79、83キロ。右投げ右打ち。

 ≪2年生で2発以上は現ヤクルト・内山以来≫仙台育英・鈴木拓斗(2年)が3回戦の履正社(大阪)戦に続き、今大会2本目の本塁打。

 過去5大会(20年は中止)で2年生による複数本塁打は、2本塁打した19年の星稜・内山壮真(現ヤクルト)以来。17年の花咲徳栄・野村佑希(現日本ハム)ら7人がマークし、17年の青森山田・中沢樹希也は3本塁打している。

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