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広島・床田 月間MVP御礼快投でハーラートップタイ7勝目 8回1失点も悔し「最後まで投げたかった」

2024年06月12日 05:45

野球

広島・床田 月間MVP御礼快投でハーラートップタイ7勝目 8回1失点も悔し「最後まで投げたかった」
<西・広>8回1失点と好投した床田(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【交流戦   広島2-1西武 ( 2024年6月11日    ベルーナD )】 広島・床田寛樹投手(29)が11日の西武戦で、5月度の月間MVP受賞“御礼”の快投を披露した。8回をソロ被弾による1失点に抑え、ハーラートップに並ぶ7勝目。開幕から11試合連続クオリティースタート(6回以上、自責3以下)達成の安定感が光る。打線は菊池涼介内野手(34)が2回に先制の4号決勝弾。新人の佐藤啓介内野手(23)は4回にうれしいプロ初安打を右前へ運んだ。2―1で逃げ切って2連勝で貯金6。リーグ2位以下に初めて2ゲーム差をつけた。
 床田は明らかに悔しがっていた。2点優勢の8回1死から、途中出場の佐藤龍に甘く入ったツーシームを右中間へ運ばれたシーン。完封ペースが一転「打たれた瞬間に、この回までだ…と」悟り、無念さを押し殺して瞬時に意識を切り替えた。

 「最後まで投げたかった。ただ、今年は8回途中で2度代わっている。ズルズルいったら、また途中交代だと思ったので、もう一回気合を入れ直した」

 ベルーナドームは8年目で初登板。変化球主体の投球で手玉に取った。初回2死二塁では中村剛を低めツーシームで左飛。4回2死一、二塁でも源田を外角低めカットボールで空振り三振だ。7回まで三塁を踏ませず、圧巻だった。

 「パは直球に強いイメージ。僕のそれではキツいだろうな…と。この3試合は凄くツーシームを意識していると感じたので、来年は変えるのもありかな」

 沖縄2次キャンプで早々と告げられた火曜日の先発。並みいるエース級に一歩も引かず、開幕から先発陣では一人だけ中6日の間隔を守り続ける。昨春までとは一変した調整が奏功した。沖縄では実戦登板せず、3月の登板日も今春は自身の意向が反映された。黒田博樹球団アドバイザーの助言だった。

 「開幕前に中6日で行くとしんどい。しかも最後は(調整で)100球ぐらい投げる。みんなキツかったらしくて。そこは黒田さんが言ってくれて」

 その調整法が、普遍的なものになるか否かは自分次第、結果次第と心得る。床田の意識はどこまでも高い。

 「週の頭で8回まで投げてくれて本当に素晴らしい。数字もそうだけど、内容も抜群。だから、月間MVPに選ばれたんでしょう。言うことない」

 新井監督は同じ日に発表された5月度の月間MVP受賞に触れ、御礼快投を演じた左腕を絶賛した。

 「今日みたいに粘り強く投げられたら、特に(配球を)変える必要はないと思う。打たれる前に気づいて、変えられたらいい」

 交流戦を2勝1敗で終え、阪神・才木とハーラーダービートップで並ぶ7勝目。円熟味を増す29歳は、再開後のリーグ戦を見据えて力強く言葉を発した。(江尾 卓也)

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