山藤章二さん死去 87歳 風刺イラストの奇才、「ブラック・アングル」は45年連載 紫綬褒章も受章
2024年09月30日 18:24
芸能
71年からは著書「世相あぶり出し」のイラストが話題に。76年からは週刊朝日で、漫画と文章で政治や社会を風刺した「山藤章二のブラック・アングル」の連載を開始し、21年に終了するまで約45年、連載回数は2000回を超えた。連載終了は本人も申し出だったといい、「自分の描き方と世間の常識がぶつかるときは、ちゅうちょなく自分を選んできました。最近の政治家の顔をみていると、あまり描く気にもなりません(笑)。未練なしです」と振り返っていた。
世相や時の事件を表現した風刺似顔絵を得意とし、故・田中角栄元首相は、ロッキード事件など折に触れて数々のイラストを発表。そのほか「グリコ・森永事件」の容疑者“かい人21面相”、「ロス疑惑」の容疑者になった故・三浦和義氏らをブラックユーモアたっぷりに描いた。02年の日米首脳会談の際には、小泉純一郎首相から米ブッシュ大統領に山藤さんが描いた「流鏑馬(やぶさめ)」のイラストが送られ、大きな話題となった。
色めがねに長くたくわえたあごひげをトレードマークで、メディアでも活躍。TBS系情報番組「ブロードキャスター」には長年出演した。04年には紫綬褒章を受章した。
大の阪神ファンとして知られ、選手や監督らも数多く描いた。