山藤章二さん死去 87歳 風刺イラストの奇才、「ブラック・アングル」は45年連載 紫綬褒章も受章

2024年09月30日 18:24

芸能

山藤章二さん死去 87歳 風刺イラストの奇才、「ブラック・アングル」は45年連載 紫綬褒章も受章
山藤章二さん(2007年撮影) Photo By スポニチ
 政治家やタレントなど話題の人物を数多く描いたイラストレーターの山藤章二(やまふじ・しょうじ)さんが30日午前、老衰のため東京都内で死去した。87歳。東京都出身。葬儀は近親者で行う。喪主は長男大地(だいち)さん。
 武蔵野美術学校(現武蔵野美大)で美術を学び、在学中に日本宣伝美術会展で特選を受賞。その後も講談社出版文化賞(70年、さし絵部門)菊池寛賞(83年)スポニチ文化芸術大賞(01年)など、数々の受賞歴がある。

 71年からは著書「世相あぶり出し」のイラストが話題に。76年からは週刊朝日で、漫画と文章で政治や社会を風刺した「山藤章二のブラック・アングル」の連載を開始し、21年に終了するまで約45年、連載回数は2000回を超えた。連載終了は本人も申し出だったといい、「自分の描き方と世間の常識がぶつかるときは、ちゅうちょなく自分を選んできました。最近の政治家の顔をみていると、あまり描く気にもなりません(笑)。未練なしです」と振り返っていた。

 世相や時の事件を表現した風刺似顔絵を得意とし、故・田中角栄元首相は、ロッキード事件など折に触れて数々のイラストを発表。そのほか「グリコ・森永事件」の容疑者“かい人21面相”、「ロス疑惑」の容疑者になった故・三浦和義氏らをブラックユーモアたっぷりに描いた。02年の日米首脳会談の際には、小泉純一郎首相から米ブッシュ大統領に山藤さんが描いた「流鏑馬(やぶさめ)」のイラストが送られ、大きな話題となった。

 色めがねに長くたくわえたあごひげをトレードマークで、メディアでも活躍。TBS系情報番組「ブロードキャスター」には長年出演した。04年には紫綬褒章を受章した。

 大の阪神ファンとして知られ、選手や監督らも数多く描いた。

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