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【新潟・湯沢】トンネルを進むとそこには…絶景とアートのコラボ「Tunnel of Light」

2023年08月03日 14:59

社会

【新潟・湯沢】トンネルを進むとそこには…絶景とアートのコラボ「Tunnel of Light」
半円形の開口部から見える清津峡の絶壁が床の水に反映して幻想的な景観が広がるパノラマステーション=マ・ヤンソン/MADアーキテクツ「Tunnl of Light」(大地の芸術祭作品)= Photo By スポニチ
 絶景ならこちらも負けていない。越後湯沢駅からバスで約30分、バス停から徒歩約30分の「清津峡渓谷トンネル」。黒部峡谷(富山県黒部市)、大杉谷(三重県大台町)と並ぶ日本三大峡谷の1つで、2018年の「大地の芸術祭」で、中国の建築家集団「マ・ヤンソン/MADアーキテクツ」が「Tunnel of Light」として改修。自然美に芸術美が加わって、“唯一無二の絶景”に進化したのだ。
 ポイントは全長750メートルのトンネルを外界から遮断された潜水艦に見立て、外を望む潜望鏡として終点と途中の見晴らし所などで作品を展開していることだ。その一つが第2見晴らし所。壁面と床面が黒と白のストライプで覆われ、異世界に舞い込んだような不思議な感覚に包まれるが、これ実はトイレ。その先の第3見晴らし所では、湾曲した壁に露のしずくのような形の鏡がちりばめられ、外の風景や自分の姿が反射。緑や赤、青など5つの色が彩る光のトンネルとともに超現実的な空間を作り出している。

 だが、それらは序章。クライマックスは終点の「ライトケープ(光の洞窟)」と名付けられたパノラマステーションだ。半円形の開口部全体がミラー状のステンレス板で覆われ、床には水が張られ、荒々しい岩と木々の緑が映り込む。水は数センチなので歩いて先端まで行くと、清津川を挟んでV字形に切り立った柱状節理の絶壁が眼前に広がる。幻想的かつ圧倒的な景観に溶け込みそうな気分だった。

 帰路、気づいたのが、トンネル手前のエントランス施設「ペリスコープ(潜望鏡)」。1階がショップ&カフェで、2階の足湯に浸りながら見上げれば、天井の丸く開いたガラス張りの窓(潜望鏡)から清津峡の景色が差し込むという具合。建築家集団のこだわりに脱帽するしかなかった。

 ▽行かれる方へ 車は関越道塩沢石打ICから国道353号線で約25分。入坑料1000円。問い合わせは(電)025(763)4800。 

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