【世界陸上】北口榛花「誰もやってなかったことを選んでやって、誰もできなかった結果にたどり着けた」

2023年08月27日 04:44

陸上

【世界陸上】北口榛花「誰もやってなかったことを選んでやって、誰もできなかった結果にたどり着けた」
女子やり投げ決勝。最終6投目を投げ、気合を込める北口。見事、66メートル73のビッグスローで大逆転金を呼び込んだ(AP) Photo By AP
 【陸上・世界選手権第7日   女子やり投げ・北口榛花金メダル獲得 ( 2023年8月25日    ハンガリー・ブタベスト )】 誰も達成したことがない頂への道は、自ら切り開いた。19年2月から練習拠点を単身でチェコに移した。コーチ不在で参加したフィンランドでの国際講習会でチェコ人のダビド・セケラク・コーチと出会い、指導を願い出た。
 あれから4年。北口は「誰もやってなかったことを自分で選んでやった。誰もできなかった結果にたどり着けて本当にうれしい」と実感を込め、同コーチも「(6投目は)とても美しい投げだった。メダルを獲り続けることが大事。パリ五輪でもメダルを獲ってほしい」と語った。

 20年からのコロナ禍では帰国を余儀なくされ、言葉の壁を痛感しながらリモートで指導を受けた。ひたすら助走スピードの強化を掲げるコーチと何度も衝突しては、思いをすり合わせてきた。19年にマークした日本記録66メートル00を「本当に自分が投げたのかなと思う時もあった」。21年東京五輪では予選で左脇腹を負傷。満身創痍(そうい)で12位に終わったが、二人三脚で歩み続けた。

 日本人にはない奇想天外な練習メニューもあった。北口がオフシーズンに帰国した際には地元・北海道のクロスカントリーコースでの走り込みや山登りまで求められた。「普通の山じゃダメらしい…」。筑波山や高尾山、関東圏の山という山を踏破するなど徹底的に足腰の強化を図った。

 北口は「(日本と)時間も違うし、ご飯も違うし、友達も家族もいないし、凄く寂しくなる時もあった」と振り返る。だが、今ではチェコ語で意思疎通ができ、北口が住み込む、同コーチの妻が営むペンションの一室は家具の配置にもこだわった落ち着く空間に変わった。今大会にはチェコからコーチの車で約6時間かけて現地入りした。コーチとの素晴らしき関係は、パリにつながっていく。

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