“脱スロースタータ―”阪神・大山で開幕4連勝 9回V撃&開幕4戦連続打点「誰が打っても勝つのが一番」

2023年04月05日 05:15

野球

“脱スロースタータ―”阪神・大山で開幕4連勝 9回V撃&開幕4戦連続打点「誰が打っても勝つのが一番」
<広・神>決勝打を打った大山(中央)を中心に勝利のタッチをかわす阪神ナイン(撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神5―4広島 ( 2023年4月4日    マツダ )】 阪神は4日の広島戦(マツダスタジアム)に5―4で競り勝ち、2008年以来15年ぶりとなる開幕4連勝を飾った。4番・大山悠輔内野手(28)が、4―4の9回2死二塁から左中間へ決勝二塁打を放った。主砲は5回にも4点目の左犠飛を放っており、2打点。例年は夏場以降に調子を上げる傾向が強い背番号3だが、今季は開幕から自己最長タイとなる4試合連続打点をマークと好スタートを切っており、4月から大当たりの予感が漂う。
 一気に試合をひっくり返しにきた赤ヘルを、大山のバットが制した。6回を終えて4―1だったスコアボードは、広島の執念の追い上げにより、9回を迎える時点で4―4に変わっていた。最終回でのサヨナラを狙い、マウンドには守護神・栗林。だが、これもすべて、4番が輝くための演出に過ぎなかった。

 1死から中野が選んだ四球を足掛かりに2死二塁とし、訪れた第5打席。1ボール1ストライクからの内角直球に鋭く反応し、左中間を真っ二つ。真っ赤なスタンドに、悲鳴とため息を充満させた。

 「(走者を)還すだけだと思って打席に入った。投手陣もなんとか抑えてくれていたし、何とか自分も、と思っていた」

 予兆はあった。2回の第1打席。先発・九里の直球とスライダーに対し、低めのきわどいコースには一切手を出さず四球を選び、森下の先制犠飛を誘発。5回1死一、三塁では4点目の左犠飛を放ち、自己最長タイ4度目の4試合連続打点を挙げていた。08年以来15年ぶりの開幕4連勝のすべてに、大山のバットが貢献している。

 「自分で打って勝った、というより、誰が打っても勝つのが一番。きょうは僕がその仕事をできて良かった」

 直近の4試合連続打点をマークした昨年6月は月間10本塁打。2度マークした20年10月は月間打率・333を誇った。今は過去3度と匹敵する状態であることを物語る。例年、春はなかなか状態が上がってこない季節でもあるが、今年はひと味違う。4月早々、大当たりの予感が漂う。

 4番の責任感は、グラウンドを離れても変わることはない。大山は3月中旬のオープン戦の関東遠征中、小幡と食事に出かけた。激しい開幕遊撃争いの中心にいた22歳を、たわいもない話でリラックスさせ、ほんのひとときでも重圧から解放させた。今、その小幡が攻守に躍動しているのは、大山の存在と無関係ではないだろう。

 「4番に置いとるわけやからな。一番ええとこで打ってくれたよな。最後も簡単にはいかんと思ってたから」

 岡田監督もご満悦。だが、大山に慢心はない。「油断やスキを見せたら、崩れるのは一瞬」。キッと前を見据え、笑顔のナインが待つバスへと乗り込んだ。(八木 勇磨)

 《今季は“だいじょうぶ”》▽春の大山19年5月、SNS上で話題になった、小学5年生の「春」がテーマの詩。
『ダブルプレーにキャッチャーフライたまに相手のエラー。
でもだいじょうぶ春だ。
 春の大山。
    打つんだ。』
と結ばれ、春先に調子の出ない大山への心配と、期待が込められている。

 《08年以来今季と同じマッチアップ》阪神の開幕4連勝は、前回岡田監督が指揮した08年の5連勝以来15年ぶり。横浜(現DeNA)と京セラドームで開幕3連戦に続き、ビジターの広島市民で広島3連戦と、今季と同じマッチアップ。第2カード3戦目にシーズン初黒星も、3、4月は連敗なし、5連勝2度の19勝7敗1分け、勝率・731と開幕ダッシュに成功した。なお、チームは7月まで連続月間勝ち越しで独走したが、8月を境に失速。7月8日時点で最大13ゲーム差をつけていた巨人の逆転を許してV逸。2位に終わり、岡田監督は辞任している。

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