阪神・湯浅　1点差の緊迫した場面で守護神の“神けん制”さく裂！　広島の俊足・大盛の飛び出し誘った

2023年04月05日 07:00

野球

阪神・湯浅　1点差の緊迫した場面で守護神の“神けん制”さく裂！　広島の俊足・大盛の飛び出し誘った — ＜広・神＞9回、菊池を三振に抑え、雄叫びをあげる湯浅（撮影・平嶋　理子） Photo By スポニチ

【セ・リーグ阪神5―4広島（ 2023年4月4日マツダ）】 1点差の緊迫した場面で、阪神の守護神・湯浅の“神けん制”が、さく裂した。9回1死から代打・松山に中前打を浴び、俊足の大盛が代走に。右腕には予感めいたものがあった。

　「投げていて、代走がきた時点で（二盗が）あると思っていた」

　1番・菊池に4球目を投じるまで、一塁けん制は一度もなし。駆け引きの中で、2ボールから2―2と平行カウントに戻したところで仕掛けた。矢のように鋭い一塁送球で、読み通りに大盛の飛び出しを誘い、一、二塁間でアウトに仕留めた。敵地の大声援を、静まり返らせた。

　少年時代は投手のほかに遊撃も守り、憧れは巨人・坂本だった。「別にどこファンとかは特にないですけど、やっぱりショートってかっこいいじゃないですか。グッズをパジャマにして寝ていたぐらい好きで、初めて対戦したときは鳥肌立ちました」と振り返るほどだ。昨季は救援ながらゴールデングラブ賞の投票でセ・リーグ6位の11票を獲得。「投内連係とか練習でやっていても全然嫌じゃないし、特守とかも逆にやりたいぐらい」と語る“ショート仕込み”の守備力が、この日も輝いた。

　昨季のマツダスタジアムでの初戦では、9回に守護神だったK・ケラーを救援するも、西川にサヨナラ打を浴びた。因縁の地で雪辱を果たした格好だが、「全然（頭に）よぎっていないです。去年は去年、今はやるだけですから」と熱きクローザー。石井、浜地と25歳以下の救援陣でつないだ広島の夜に、価値ある2セーブ目を記録した。（阪井　日向）