ツインズ・前田健太 678日ぶり白星へ勝利投手の権利持って降板 続投志願、気迫の5回無失点8K

2023年06月24日 09:26

野球

ツインズ・前田健太 678日ぶり白星へ勝利投手の権利持って降板 続投志願、気迫の5回無失点8K
タイガース戦で復帰登板を果たしたツインズ先発・前田健太(AP) Photo By AP
 【ア・リーグ   ツインズータイガース ( 2023年6月23日    デトロイト )】 ツインズの前田健太投手(35)が23日(日本時間24日)、敵地・デトロイトでのタイガース戦で、右上腕部の張りによる負傷者リスト(IL)入りから復帰。先発で5回3安打無失点、毎回の8奪三振と好投し、2021年8月14日(同15日)レイズ戦以来、678日ぶり白星の権利を手にしてマウンドをリリーフ陣に託した。
 先発としての責任を果たすまで、マウンドは誰にも譲らない。強い気持ちがほとばしった。3-0の5回2死一塁、9番・ロジャーズに四球を与えてピンチを広げると、ベンチからマウンドへと向かってくるティングラー・ベンチコーチの姿が見えた。外野ブルペンからはリリーフのモランが一度、グラウンドに姿を出す。しかし右腕は何度も小刻みに首を振り、交代を拒否する仕草を見せてマウンドから動こうとしない。志願して立ち続けたマウンド。1番・マッキンストリーをスプリットで空振り三振に仕留めると、こん身のガッツポーズを繰り出した、

 およそ2カ月ぶりのメジャーでの先発マウンド。冷静にマウンドを務めた。初回、無死から四球と安打で一、二塁のピンチを招いたが、動じなかった。3番・カーペンターをスプリットで空振り三振。4番・バエスは90・3マイル(約145・3キロ)のツーシームで遊ゴロ併殺に仕留めた。

 圧巻は味方が3点を先行した直後の2回だ。先頭のメートンをカーブで、続くビアリングをスプリットで空振り三振。この試合まで通算3117安打、508本塁打の“レジェンド”カブレラも外角スライダーで空振り三振で3者連続三振に仕留めた。回を追うごとに出力を上げ、タイガース打線を封じた。

 経験と技術がモノを言った。初回は振りかぶって投げていたが、2回からはノーワインドアップに変更し、安定感が増した。カーブ、スライダー、スプリットなど多彩な変化球を中心に投球を組み立て、相手に的を絞らせることはなかった。

 長い道のりを歩んできた。2021年9月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、昨季はシーズンを通してリハビリ、トレーニングの期間に充てた。591日ぶりの復帰登板となった今年4月4日(同5日)マーリンズ戦では打線の援護がなく黒星がついたが、5回0/3を3安打1失点。9奪三振で四死球0と持ち味の安定感を示した。開幕から白星に恵まれず4連敗を喫したが、復活への階段を着実に上っていた。

 しかし4月26日(同27日)ヤンキース戦で右ひじに異変を訴え、途中降板。その後、右上腕部の張りで負傷者リスト(IL)入りとなった。順調に登板を重ねる中での想定外のアクシデント。それでも復活を期すマエケンの心は折れなかった。ノースローの期間を経て、傘下3Aセントポールで4試合に登板。はやる気持ちを押さえ、着実に段階を踏んで、メジャー復帰を目指してきた。

 前田はこの日の登板を前に「長くかかったが、戻るからにはチームの勝ちに貢献できるような投球ができればいい」と意気込みを見せていた。ア・リーグ中地区首位に位置するチーム。戦力になり、勝利に貢献するために、必死で腕を振った。

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