【スポニチスカウト部(25)】山形中央・武田陸玖 日本ハム・矢沢級アマ№1二刀流

2023年07月25日 06:00

野球

【スポニチスカウト部(25)】山形中央・武田陸玖 日本ハム・矢沢級アマ№1二刀流
投打で高校トップクラスの実力を備える山形中央・武田陸玖 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第25回は山形中央の左腕・武田陸玖(りく)投手(3年)。打っても、投げても高校トップクラスの実力を備える二刀流。最後の夏にスカウトからの評価をさらに上昇させている。 【ドラフト速報
  大谷翔平が日米で二刀流の可能性を示し、昨年は日体大・矢沢宏太がその姿に刺激を受けた二刀流として日本ハムからドラフト1位指名を受けた。二刀流は「異例」から「スタンダード」になる過渡期を迎えている。

 今年のアマチュア球界No・1の二刀流は山形中央・武田陸で文句なしだろう。DH制のない高校野球では投手が打席に立つのは当たり前。エースを担う野球センスの持ち主は打撃の良い選手も多い。武田陸はそんな大前提を飛び越えた本物の二刀流だ。1メートル73、75キロと矢沢に似た体格の持ち主は主に「2番・投手」でチームをけん引する。

 まずは最速147キロ左腕としての投手。リリース後、反動で跳び上がる躍動感あふれるフォームだ。県立高の大黒柱として先発完投が求められる立場。直球は常時140キロ台前半だが、要所では140キロ台中盤にギアを上げて空振りを奪いにいく。変化球はスライダーが軸。自信を持つ2球種で積極的にストライクゾーンで勝負。プロではチェンジアップを磨き、広くゾーンを使うスタイルで先発を担うことも、短いイニングをパワーピッチスタイルで圧倒することも期待できそうだ。

 高校通算本塁打が30を超える力強い打撃はオリックス・森をほうふつさせる力のあるスイング。引っ張りの打球はあっという間に野手の間を抜き、ボールを引きつけて逆方向に本塁打を放つ馬力もある。昨秋の東北大会、今夏の準々決勝では逆方向の左翼へアーチをかけた。

 プロ入りを熱望する武田陸は二刀流について「やれるなら、やりたい」と意欲を示す。ただ、日本ハム入りした矢沢は、まずは野手を中心に出場を続けるなど、プロでの二刀流の道は険しい。それでも武田陸は挑戦に値する輝きを放っている。(柳内 遼平)


 ☆球歴 山形県天童市出身の18歳。成生小1年時に成生ファイヤードラゴンズで野球を始める。天童四中では軟式野球部に所属。山形中央では1年春からベンチ入り。憧れの選手はブルージェイズ・菊池。


 ≪仙台育英・斎藤陽と楽天ジュニアで同僚≫ 武田陸は小6時に投手兼外野手として楽天ジュニアに選出された。チームメートだった斎藤陽はその後、仙台育英(宮城)に進学。昨夏は春夏通じて東北勢初の甲子園優勝を果たした。現在でも連絡を取り合う仲だが、武田陸は「自分たちが東北で初めて甲子園優勝しようと思っていたので悔しい思いがあった」と振り返る。17年の楽天ジュニアでは右腕・小玉湧斗が高崎健康福祉大高崎(群馬)に進学し、今春の選抜出場に大きく貢献した。

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