エンゼルス・大谷が弾丸36号 トレード期限前のラスト本拠で5戦ぶり一発 逆転勝ちで地区3位返り咲き

2023年07月25日 02:30

野球

エンゼルス・大谷が弾丸36号 トレード期限前のラスト本拠で5戦ぶり一発 逆転勝ちで地区3位返り咲き
<エンゼルス・パイレーツ>初回、大谷は同点ソロを放ちブルペンに向かって手刀を切る(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【インターリーグ   エンゼルス7―5パイレーツ ( 2023年7月24日    アナハイム )】 エンゼルスの大谷翔平投手(29)が23日(日本時間24日)、パイレーツ戦に「2番・DH」で出場。8月1日(同2日)のトレード期限前最後の本拠地主催試合で、初回に中越えへ滞空時間3秒99という超高速の36号ソロを放った。両リーグトップを独走する一撃で快勝したチームは、ワイルドカード(WC)圏内まで4ゲーム差を維持。命運を握る7試合を経て、再びアナハイムに戻ることができるのか――。
 逆転勝ちした試合後の大谷は、意外なほどに穏やかだった。トレード期限前最後の本拠地主催試合。クラブハウスでは、スタッフに頼まれた複数のボールにサインを書き続けた。一段落すると、着替えの最中で上半身裸だったサンドバルの胸をバチーンと叩き「まだ飯も食ってないんだって!」と大笑いした。

 リラックスした舞台裏とは対照的に、試合では衝撃的な一発をぶちかました。0―1の初回。餌食となったのは、先発右腕ケラーが投じた7球目の内角低めカットボールだ。特有のバットを体に巻き付けるスイングで捉えると、ライナー性の打球は低い弾道のまま中堅フェンスを軽々と越えた。両リーグトップを独走する36号同点ソロ。5試合ぶりの一発で、年間58・3本ペースとした。

 注目すべきは、弾道と速さだ。打球角度19度は今季自己“最低”タイ。同速度112・9マイル(約182キロ)、滞空時間は今季自身の本塁打で最も短い3秒99で、フィル・ネビン監督も驚きを隠せない。「ゴルフボールのような打球だった。センターライナーかと思って、次は中堅手の頭を越えるかと思ったら、(中堅フェンス後方)林の中に打球が消えた」と目を丸くした。

 アナハイムのファンだけでなく、ナインも圧巻のパフォーマンスを目に焼き付けた。過日、大リーグ公式サイトがエンゼルスはトレード期限である米東部時間8月1日午後6時(日本時間2日午前7時)の24~48時間前まで、決断を保留する方針と伝えた。今後、エ軍の負けが込み、WC争いから後退すれば、電撃トレードに踏み切る可能性がある。だからこそ、大谷の打席では「MVP」コールが鳴りやまず、クラブハウスにはいつもと違う緊張感が漂う。2本塁打したレンヒーフォは「翔平はこのチームにとって超重要な選手。いつも勝利に導き、チームを活気づけてくれる」と称え、続けて「僕たちができることは勝ち続けてポストシーズンに進出することだ」と決意を口にした。

 4本塁打を放ったチームは地区3位に返り咲き、WC圏内まで4ゲーム差を維持した。運命のデッドラインまで7試合。大谷はナインとともに、次なる戦いの舞台、デトロイトへと旅立った。(柳原 直之)

 ≪今季“最低角度”19度弾≫大谷の打球角度19度の36号は、4月18日のヤンキース戦で放った4号と並び今季最も低い打球角度だった。自己“最低”は21年6月18日のタイガース戦と同29日のヤンキース戦で記録した18度。今季メジャー全体の本塁打で最も短い滞空時間は、6月28日にレンジャーズのデュランがタイガース戦で記録した3・14秒。

 パイレーツ戦で初の本塁打。これで本塁打を打ったのは23球団で、残りはエンゼルスを除けばレッズ、マーリンズ、フィリーズなど6球団。大谷は節目のシーズン100試合目で36号。46本塁打を放った21年と同じペース。

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