栗山英樹氏 甲子園出場の球児たちへエール「さあ、行こうじゃないか!」

2023年08月06日 05:00

野球

栗山英樹氏 甲子園出場の球児たちへエール「さあ、行こうじゃないか!」
栗山英樹氏の球児たちに向けた思い Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会 】 3月のWBCで世界一を奪還した侍ジャパン前監督の栗山英樹氏(62)が5日、6日に開幕する第105回全国高校野球選手権大会に出場する球児たちに向けた思いを詩に込め、熱いエールも送った。選んだ言葉は「日本の夏 こころのふるさと 甲子園」。この日は甲子園で開会式のリハーサルが行われ、コロナ下だったここ数年は行われなかった49代表校が場内を一周する従来の形の入場行進を確認した。
 甲子園にやってくるまで、誰もが全ての大切な時間を使って努力してきた。自分たちがやってきたこと、積み重ねてきたことを全力で表現してほしい。それを強く願う。

 勝っても、負けても、甲子園には必ず自分で気付くものがある。力の限りプレーし、その瞬間を楽しむ。「これが甲子園か」と思えるように。そんな充実感が得られたら、前に進める。またこれから先も努力していける。仲間のため、お世話になった人のために尽くす。その気持ちも持ってほしいが、とにかくこの舞台で自分の力を出しきってほしい。

 人が全力を尽くす姿は一番美しい。その姿を見せようとする必要はない。ただ、ひたむきな全力プレーは見る人に伝わり、間違いなく心を打つ。それは試合に出場する選手たちだけではない。ベンチで、スタンドで、それぞれの球児たちに、いろいろな役割がある。その役割に全力を尽くすことができたなら、大きなものに気付き、先へつながっていく。

 44年前、夏の西東京大会。私がエースで主将だった創価は4回戦で都東大和に3―10でコールド負けした。打ち込まれて降板。遊撃の守備に就いて「負けた…」と思って、涙があふれた。でも、思えばまだ試合中だ。そんなふうに思って泣いていたら、絶対に逆転なんてできない。あの日以来、どんなことがあっても試合中に涙を流したことはない。高校3年間で甲子園の土は踏めなかったが、学んだことは忘れない。

 開会式は全選手で行進、スタンドも応援も甲子園に日常が戻ってくる。きっと、多くの学びがあるはずだ。だから、全力を尽くしてほしい。WBCで試合の度に選手にかけた言葉がある。心が奮い立つように今、言おう。「さあ、行こう!」(侍ジャパン前監督)

 ▽コロナ下の夏の甲子園開会式 20年は大会が中止となり、21年は全49校が参加も場内を一周する従来の入場行進ではなく、外野から本塁方向に歩くだけ。昨夏は開幕前日に全49校で場内一周のリハーサルを行ったが、複数の代表校が集団感染に見舞われた影響で大会本部は夕方に翌日の本番を各校の主将だけに変更すると発表した。

 ≪始球式「魂込める」≫栗山氏は6日の開幕試合で始球式を務める。大役に向けて「大好きな野球をやってきて、多くの方のおかげでこういう機会を与えてもらい、感謝しかない」と語った。日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」で行われた3月30日の今シーズン開幕戦(対楽天)でも始球式を務めたが、人生2度目の今回を最後にするつもりで「多くの人に感動を与える高校野球が何百年も続くように、魂を込めて投げたい」と決意を語った。

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