部活動地域移行に神奈川の野球界が一丸「子供たちを思う気持ちがどれだけあるか」

2023年08月06日 08:00

野球

部活動地域移行に神奈川の野球界が一丸「子供たちを思う気持ちがどれだけあるか」
7月に神奈川県相模原市で行われた中学校部活動地域移行に関するカンファレンスの様子 Photo By スポニチ
 7月31日。神奈川県相模原市内で「神奈川県・中学校部活動地域移行に関するカンファレンス」が行われた。県内の中学、高校、大学の野球関係者らが集まり、さまざまな意見が出された。
 部活動の地域移行とは、これまで中学や高校の教員が休日に無償で担当していた部活動の指導を、地域のスポーツクラブなど外部に委託するもの。教員の負担を軽減する狙いがある。スポーツ庁、文化庁は22年12月に「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を策定し、23年度から25年度の3年間を「改革推進期間」とした。

 現在、中学の野球部の顧問を務める教員からは「元々、野球の指導がしたくて教員になった。地域移行になったら、そういう目的で教員を目指す人が減るのではないかと思ってしまう」、「自分が携わりたい部活の指導ならいいが、未経験のスポーツなどの指導なら負担になる。その人たちのことを考えたら仕方がないのかなと思う」、「地域差があるのは明らか。部員がそろわないところもある」など、現場からの声が上がった。

 指導者や練習場所の確保、保護者の負担増など問題は山積みだが「部活動を続ける子供たちにとってベストな環境を整えること。それが大人の役割だ」と訴える人もいた。

 出席した神奈川大学野球連盟の佐々木正雄理事長は「自分たちには何ができるだろう。子供たちを思う気持ちがどれだけあるか。みなさんと一緒に考えていきたい」と話した。元県中体連軟式野球専門部長でコーディネーターの榎屋剛氏も「みんなが当事者意識を持つことが大事」と続けた。

 球場内の会議室で行われたカンファレンス。教員にも子供にもプラスになるやり方は、何がベストなのか。神奈川の指導者たちの熱を感じた、約2時間の会議だった。(記者コラム・川島 毅洋)

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