【甲子園】栗山英樹氏が始球式「むちゃくちゃ緊張した」 上田西の投手とマウンドで話したことは…

2023年08月06日 11:50

野球

【甲子園】栗山英樹氏が始球式「むちゃくちゃ緊張した」 上田西の投手とマウンドで話したことは…
<上田西・土浦日大>始球式を行う栗山英樹氏(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会第1日 ( 2023年8月6日    甲子園 )】 第105回全国高校野球選手権記念大会が6日、甲子園球場で開幕。前侍ジャパン監督の栗山英樹氏(62)が開幕試合で始球式を務めた。栗山氏はセットポジションで右上手から外角にノーバウンドの速球を投げ込んだ。投げ終えると、深々と一礼してマウンドを後にした。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンを09年以来の世界一に導き、子供たちに野球の魅力に再び目を向けてもらえるきっかけになったことなどを理由に、大役を任された。始球式後の一問一答は以下の通り。
 ――ナイスピッチングでした。
 「いや、あの、僕ができる精いっぱいの感じですね。ただ、WBCも含めて次の世代にこの野球の、今回からお客さんも戻って、その思いを若い子たちに伝えてもらわなきゃいけないんで、その思いだけは届けようと思って投げた。僕みたいな(実績のない)選手が甲子園(のマウンド)に立たせてもらえるのは選手たちのお陰だし、関係者を含めてみなさんに感謝しています」

 ――自身にとって甲子園とは?
 「(高校時代に)甲子園に出られなかったですけど、本当に宇宙より遠い感じの場所だったのでね。まさかこの年(62歳)までボールを持ってここにこれると思ってないので、ここに来る度に感動もするし、緊張もしますけど、こういうふうにみんなが100年経っても200年経っても、そういうふうに思う場所であってくれると信じているので。あとは次の世代に任せた!という感じです」

 ――WBCとどっちが緊張した。
 「もちろん、今、100倍くらい緊張しました。WBCとは違う緊張というよりも、自分がやらないといけないことに集中しているので。今日はちょっといろいろあるじゃないですか。次の世代に(思いをつなぐ)ボールを渡す、みなさん(自分の投球に)期待している、難しかったです。むちゃくちゃ緊張した。久しぶりですよ、こんなに緊張したのは。たぶん、プロ野球で初めて(1軍の)試合に出る、そんなくらいですね。それ以降、こんなに緊張したことはないですね」

 ――上田西のエースとマウンドで話をしていた。
 「“俺が先に暴投するから気楽に投げなよ”って言ってたんですけど。僕らは選手たちの邪魔をしちゃいけない。本当に(選手は)思い切って、ここでやるべきなんでね。そのお手伝いが、僕みたいなタイプが投げるんで。失敗したこと含めて、彼らが思いきってやれる環境をつくってあげたかったんで。“甲子園、遠かったね”みたいな話をしてたんですけど。もし、それで自分らしい投球をしてくれたらうれしいです」

 ――これからの日本の野球を考えると。
 「何度も言うように、もし今回をWBCと比較するなら、トーナメント制の大会を高校時代にみんなが経験している。そういう形が最後に勝ちきるのに大きかったんでね。日本の持ってる高校野球の文化というものが体の中に染みついていて、一番野球を感じるときに選手が経験していた。これも日本が世界一になれた大きな要因だと思っている。甲子園というものが日本野球の根幹である。この大会が長く長く、さらに日本の今の事情を考えると、高校野球が教えるものが日本野球に必要だと思っているので、さらに発展していってくれることを信じています」

 ――夏の甲子園を見るのは?
 「根尾くん(大阪桐蔭)の試合を記念大会のときに、(日本ハムの)監督だったんだけど、熱投甲子園1日だけやるということで、そのときに根尾くんと藤原くんのホームランを見た。そのとき以来ですね」

 ――この日のために練習は?
 「いえ、すいません。練習しようと思って投げ始めたら、この辺(右脇腹)が肉離れっぽかったんで。これ以上投げたら(本番で捕手まで)届かなくなっちゃうんで。すぐ止めました。本当にキャッチボールは監督時代してなかったんで」

 ――選手たちにメッセージを。
 「我々は大行進を久々に見て涙がでましたけど、周り(の人たち)は自分の人生と重ね合わせて頑張ろうと思ったりするんだけど、選手たちはまったく気にしないで、せっかくここまでこれたんで、とにかく好き勝手に、楽しんで野球をやってもらいたい。その必死な姿に子供たちも、我々も、大人たちも自分の人生頑張っていかなきゃと思うので、選手たちには思い切ってやってほしいなと思います」

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