花巻東・北條 亡き父に勝利届ける!家族もマウンドも「自分が守る」

2023年08月06日 05:00

野球

花巻東・北條 亡き父に勝利届ける!家族もマウンドも「自分が守る」
花巻東・北條 Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会 】 第105回全国高校野球選手権大会(6日から17日間)が6日、甲子園で開幕する。今秋ドラフト1位候補の佐々木麟太郎内野手(3年)を擁する花巻東(岩手)は第3日第1試合で宇部鴻城(山口)と対戦。“岩手から日本一”を掲げるチームのエース右腕・北條慎治投手(3年)は、亡き父・貴行さんに勝利を届けるため懸命に腕を振る。
 心の中で強く誓った。「家族は俺が守る」。北條が中2だった時、父・貴行さんが病気のため41歳で死去した。父への思いも胸につかんだ、最後の夏の甲子園。背番号1を背負うエースとして、家族に白星を届けるため、覚悟を持って聖地のマウンドに立つ。

 大好きだった父が亡くなり家族は母と大学生の姉、小学生の妹と4人になった。家族を支える父の姿に憧れていたからこそ「男は自分1人なので家族は自分が守るつもり」と、18歳になっても強い覚悟は変わらない。

 甲子園を夢見て花巻東へ。入学後、本格的に投手を始めた。1メートル85、82キロの恵まれた体から繰り出す直球は今夏、自己最速の145キロを計測するまでになった。2年生だった昨年の選抜以来自身2度目の聖地。「前回はマウンドに立てなかったので次は立って最高の投球をしたい」と目を輝かせている。

 岩手大会では毎試合のように、母ら家族がスタンドに応援に駆け付けた。言葉を交わすことはほとんどないが「いいところを見せられたと思います」と北條。天国の父には「全力で頑張ってきます」と活躍を誓って大阪に入った。

 野球を始めたのも貴行さんに影響を受けたから。父とキャッチボールをしていた幼少期からの夢はプロ野球選手だ。「ここまでたくさん迷惑もかけてきた。まずは甲子園で活躍する姿を見せたい」。初戦は大会3日目、宇部鴻城(山口)と対戦。チームの勝利と家族への感謝を示すため、北條は全力で右腕を振る。(村井 樹)

 ◇北條 慎治(ほうじょう・しんじ)2005年(平17)4月30日生まれ、岩手県出身の18歳。小2から野球を始め、大船渡一中時代は軟式野球部に所属。花巻東では2年春の選抜で背番号17でベンチ入りした。憧れの選手はエンゼルス・大谷。最速145キロ。50メートル走6秒4、遠投100メートル。1メートル85、82キロ。右投げ右打ち。

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