大谷も打撃練習で使用 ロボットピッチングマシーン「トラジェクトアーク」を地元紙が特集

2024年03月13日 14:00

野球

大谷も打撃練習で使用 ロボットピッチングマシーン「トラジェクトアーク」を地元紙が特集
打撃マシン「トラジェクトアーク」=トロント郊外(共同)  Photo By 共同
 ロサンゼルスタイムズ紙のジャック・ハリス記者が、この春のキャンプから、ドジャースのキャンプ地に設置されたロボットピッチングマシーン「トラジェクトアーク」について報じている。
 大谷翔平も熱心な利用者の一人だ。ドジャースは新しいインドアのトレーニング施設を建築、ラボ/研究室のニックネームが付いた。バイオメカニックス(生体力学)のデータを取ったり、ハイスピードカメラやラプソードでピッチデザインの手助けをしたり、フォースプレート(投手がマウンドで投球板を蹴る時のインパクトを計測)なども備えているが、一番選手に称賛されているのは「トラジェクトアーク」だそうだ。

 メジャー投手の特定の球種を、同じ球速、回転率、縦横の曲がり幅で再現し、打者はそれを打って、打撃練習ができる。マシーンの前にはビデオスクリーンがあり、投げている投手の等身大の映像が出て、同じリリースポイントからボールが飛び出してくる。既にMLBの半分以上の球団が使っているが、ドジャースも初めてキャンプ地に設置した。

 ベテランのクリス・テーラーは「すごく良い。これまでは投手が(ピッチデザインなどで)テクノロジーの恩恵を受けてきたけど、今度は打者の番だ」と言う。

 開発したトラジェクトスポーツのジョシュア・ポープ氏は、高校時代にブルージェイズのマーカス・ストローマンのピッチングを見ていて、スタットキャストのデータで回転率、縦横の曲がり幅などのデータを検索した時にアイデアがひらめいたそうだ。「全ての投手の球の軌道を視覚化できるなら、複製もできるはずだ」と。その後カナダの大学に進み、研究を進めた。ただ、本物のボールのスピンを再現するのは難しく、三輪のマシーンにすることで、投手の投げ方に近づけた。

 若手のガビン・ラックスはこの春守備で苦しんでいるが打撃は好調。「すごく助かっている」と明かす。スライダー、カーブも本物同然に見える。デーブ・ロバーツ監督も打席に立ってみたそうで「素晴らしい道具、投手と本当に対戦している感じだ」と話している。

 一方でベテランのフレディ・フリーマンはあまり使っておらず、これまで通りオーソドックスな置きティーと、コーチにトスしてもらう打撃練習。ウィル・スミスも軌道を見るだけだそうだ。「機械は機械、ボールが手から投じられてくるわけではない」と言う。実際全てが完全に再現できているわけではない。投手はホームに向かって足を踏み出し、腕をしっかり振って、前でボールを放すが、そのエクステンションの長短は投手によって様々。そこまでは再現できない。

 とはいえスミスも、投手の球種に目を慣らすには「一番の選択肢」だと認めている。マシーンの球を見たあとに、実際に投手と対戦すると、ボールがゆっくり見えたりもする。今のところ、ドジャースはキャンプ地にしかこの機械はないが、ドジャースタジアムに設置する計画もあると監督は話している。

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