【王将戦】藤井王将 後手番でも白星!20期連続獲得の新記録へ好発進

2024年01月09日 05:10

芸能

【王将戦】藤井王将 後手番でも白星!20期連続獲得の新記録へ好発進
さらなる高みへ、辰(たつ)を相棒に空を飛ぶ藤井王将(撮影・藤山 由理、西尾 大助、光山 貴大、大城 有生希) Photo By スポニチ
 【第73期ALSOK杯王将戦第1局第2日 ( 2024年1月8日    栃木県大田原市・ホテル花月 )】 藤井聡太王将(21)=8冠=に菅井竜也八段(31)が挑む将棋の第73期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は8日、栃木県大田原市のホテル花月で第1局2日目が指し継がれ、後手の藤井が120手で勝利した。王将戦は3期連続の白星発進。過去2期は勝率的に有利な先手番での勝利だったが、後手番でも絶対王者の貫禄を示した。第2局は20、21日、佐賀県上峰町の大幸園で指される。
 戦闘開始のゴングが鳴った。初めて駒がぶつかったのは封じ手直後の54手目△8六歩。相穴熊特有の、千日手の可能性がつきまとう長い中盤戦が昼食休憩を終え、ようやく佳境に入った。

 「駒がぶつかって勝負どころです」。藤井が表情を引き締める。84手目△8七とに18分考慮して残り8分となり、秒読みへ突入。対する菅井は80分あったが、突き抜けた終盤力に狂いはなかった。

 102手目△7四金で飛車を捕獲。114手目△3九桂成で飛車銀得と、菅井陣の体力をそいでいった。

 「攻めたときに(菅井から)4筋に歩が立つのでこちらの王が薄い。自信のない局面が続いたかと思ったが、(108手目)△5九飛(第1図)と打ってと金が払える。頑張れそうかと思いました」。勝利への道筋を描けたのは投了12手前だった。

 昨秋開催の竜王戦7番勝負を4連勝で終えたことで12月の公式戦がなくなった(未放映のテレビ対局は除く)。コロナ禍で対局が中断された20年5月以来だったが、実戦不足の不安一掃に十分な勝利。加えて前々期は第1局を渡辺明九段に139手、前期は羽生善治九段に91手で先手番で勝利した。今回は勝率上、不利な後手番だけに手応えは大きい。

 王将3連覇と共に20期連続獲得の新記録へ好発進した。現在並ぶ大山康晴15世名人は63年度名人戦から66年度名人戦までで19期連続獲得を達成。20年7月、初タイトルとなる棋聖を獲得後、失敗なしの藤井はその更新に挑んでいる。

 今回迎え撃つ菅井にはその大山との共通点が多い。岡山県出身、振り飛車党。立会人の塚田泰明九段は晩年の大山と12局の対戦があり、不戦勝1回を含む7勝5敗。名人挑戦権を争うA級順位戦でも5局あった。

 「菅井八段の方が攻めていく。大山先生は自分から攻めず、(相手の)攻めのパワーを吸い取った」

 王座の獲得経験がある塚田は「攻め十割」の愛称で知られ「気持ちよく攻めさせてもらえるのに、結果を見るといい勝負。攻めを切らされてしまう」と回想。大山は藤井が昨秋達成した全冠制覇を全3冠から全5冠時代に3度達成した昭和の巨人だった。

 過去72期、白星発進した棋士は56勝16敗、・778の確率で7番勝負を制した。19期失敗なしの藤井の3連覇の機運はさらに高まった。

 ≪撮影お手の物?渾身の上目遣い≫藤井は終局後、勝利を記念した撮影に臨んだ。干支(えと)の辰年にちなみ、竜に乗るポーズ。指示を受けると「雲の中で…あぐら…」とつぶやきながら、竜のツノに頬を添わせ、渾身(こんしん)の上目遣いを見せた。だが「表情をつくるのが難しかったです」と苦笑い。記者から「将棋とどちらが難しいか?」と問われると、目尻を下げ「将棋ですね」と答え、撮影場所を後にした。

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