【王将戦】終盤の△6四角が決め手に 藤井王将 長い中盤戦に耐え好機逃さず終止符
2024年01月09日 05:08
芸能
ここからの両者の歩の使い方はまさに秘術を尽くした攻防で、△8八歩成に手抜いての▲7三歩が菅井の勝負手。選択肢の広い局面をつくり藤井の持ち時間を削る。秒読みに追い込まれた藤井が放った△5七歩は菅井陣を揺さぶる問いかけで、菅井に攻防の選択権を委ねる勝負術。クライマックスは菅井の▲5四歩~▲4四歩の垂らし。飛車を見捨てる強烈な手順で、藤井が飛車を取ると▲5三歩成から4筋にと金を量産して食いつく狙いだ。
だが藤井はさらに上をいく。△6四角(A図)の攻防手が激戦に終止符を打つ好手。対して▲5三歩成とと金をつくると、△5九飛が継続した一手。攻めては△3九飛成、受けては△5三飛成があり先手の収拾がつかない。藤井が長い中盤戦を耐え抜き、一瞬のチャンスを逃さず開幕戦を制した。(本紙観戦記者)