八代亜紀さん 女王が少女に戻った62歳“NY夢の夜”
2024年01月10日 05:20
芸能
“少女”は本番に向けて青いスパンコールドレスに着替えると、「演歌の女王」に戻っていた。ドレスに光が反射してまばゆいオーラを放つ。ジャズ調にアレンジされた「雨の慕情」で始まり、メリルとのデュエットで耳の肥えたニューヨーカーや日系人ら客席の500人を沸かせた。
夢の夜の最終盤で熱唱した「舟唄」はジャズ調ではなく演歌版のまま。バックバンドがイントロを演奏し始めると、客席は水を打ったように静けさに包まれた。ハスキーなボイスでしっとり、情感たっぷりに歌い上げると、涙を浮かべる観客の姿も。異国で神髄を発揮した「演歌の女王」の歌声に鳥肌が立ったことを鮮明に覚えている。(文化社会部・安田 健二)