谷口キヨコ、能登半島地震に思う…災害時の助け合いの重要性「身近にいるからこそできる、一番の生きる道」
2024年01月10日 12:30
芸能
冬ということも重なり、阪神淡路大震災のことが思い出されます。あのときも寒かったけど、能登の冬はより一層厳しいことと思います。実際に連日大雪で。被害にあわれた皆さまには心より御見舞い申し上げます。
自分自身、今回の地震被害に対して行動する、といっても今のところは募金することしかできませんが、そんな中、感じたことがあります。
日本ではあちらこちらでしょっちゅう地震があり、最近では水害など自然災害は枚挙にいとまがありません。そのうえ、この40年のうちに90%という非常に高い確率で起こるとされている南海トラフ巨大地震が西日本に住むわたしたちを待ち受けているのです。まさに待ち受けている、という状況やと思います。
その前に準備できることはいろいろあると思うんです。まだ新人だった阪神淡路大震災の時も、金曜日の生放送直前に起こった東日本大震災のときも放送しながら被災した地域の情報を伝えたり、尋ね人の名前を延々読み上げたり、とにかく二度もそんな経験をしたのに、大きな災害があるとき、自分はどうしたらよいのか、という答えはまだ出ていません。
ただ災害時、そしてその後の地域の重要性を強く感じます。家族という単位で動くことは重要だとは思いますが、家族が一軒の家に住んでいるとも限りません。バラバラになりながら連絡を取り合うことの難しさは、通信が不安定な状況では当たり前のように起こることです。そこで重要になってくるのが「隣近所→地域」でしょう。
2日に羽田空港で起こった事故原因もまだ調査中ではありますが、とにかくどんな現場でも「ヒューマン・エラー」は起こることを前提にしなければならない、と。そのうえで、そのときにどんな対処や対応をするかも間違いなく準備しなければならない、と。頻度の少ないあのような事故でもそうであるならば、地震を含む自然災害も、起こることを前提にその後の対処や対応を準備しなければならないのやと思います。国や地方自治体など行政が検討し準備しなければならないことはたくさんあるでしょう。そのためにこれまでの経験や研究をいかすことも大切です。
では、私たち市民個人ができることは何なのでしょうか。自分や家族が生きるためのさまざまな備蓄とともに、地域の連係が重要になってくるのではないでしょうか。私はマンション暮らしですが、隣の人が誰かも、何人で住んでいるかも知りません。出会えば、あいさつするだけです。平常時はその方が正直、楽です。が、災害が起きてしまいその後のことを考えると、少しでもスムーズに支援を受けるためにも、ある程度の個人情報は開示されていないといろいろなことが遅くなってしまう可能性がありそうです。でもそこには災害前の時点での、個人情報を保護するという観点もあり…地域の連係と個人情報の保護。このバランスがとても難しく感じます。
実際に、今、マンション理事会の長をしていますが誰がどこに住んでいるか、という情報はまったく知りませんし、知る術もありません。これでよいのかな、と感じています。このシステム自体が「平常時」を前提としたもので「災害時」のものではないことに改めて気づかされ、がく然としています。
助け合うことができるから生きることができる。それは身近にいるからこそできる、一番の生きる道やと思います。どうしたらよいのか、早急に考えて行動しなければなりません。