藤井聡太王将 恒例「勝者の記念撮影」はあま~い一枚 川ベリでベリーグッドなストロベリー
2024年01月10日 06:00
芸能
「第1局なので緩めてもらったかなと思います」
勝者の記念撮影後の取材。笑顔には、第1局の手応えがありそうだ。勝率で劣る後手番。居飛車VS振り飛車、対抗型の相穴熊は振り飛車党の菅井が経験値に勝る。それでもテニスでいうブレークに成功した。眠気も冷気も吹き飛ばす、活力に満ちていた。
120手で勝利した前夜。中盤は藤井の4枚穴熊に対し、菅井は銀が攻撃参加したことによる3枚穴熊。自陣の耐久力では勝っても、攻め駒不足に悩む時間帯が続いた。「序中盤は(菅井に)内容的にうまく立ち回られた。しっかり振り返る必要があると思う」と慎重に言葉を選んだ。
菅井がどこへ飛車を振るか。対抗型での主導権は振り飛車側が握りがちだが、居飛車側も「細かい部分で工夫していくべき。序盤から主張を生み出せるようにしたい」。先手番へ移る第2局の留意点を確認した。
「パイナップルが好きだけどイチゴも好きです。甘みが強く、練乳なしでも食べられました」
比較的ソフトな撮影に胸をなで下ろしたが、次局は佐賀県上峰町開催。前期、通算100期を懸けて挑んできた羽生善治九段を4勝2敗で退け、連覇を決めた喜びもつかの間、勝者の記念撮影では漆黒の軟体と対面した。
「捕まえて終わりじゃない。捕まえて撮影できるか?ですから」。羽生、佐藤康光九段、久保利明九段の歴代王将同様、苦戦した。ウナギが波打つ桶(おけ)をのぞき込んで身動きしない。恐る恐る手を出しては逃した。「撮影に30分くらいかかった」。実際は7~8分だったが、その実感が苦心の程を物語る。
「いただくのはいいけれど、つかむのは…。また捕ることになったら身構えます」。人格的にも王道を歩む絶対王者は嫌とは言わない。同時に、勝たないと依頼がない勝者の記念撮影。「結果次第ですから」。再戦への予防線は張った。
≪“藤井を乗せた竜”大田原市役所展示≫9日付の本紙掲載の藤井を乗せた竜が、大田原市役所で展示される。2年前の大田原対局では、藤井が写真撮影のために使った唐辛子の背景が、市内の道の駅や商業施設でフォトスポットとして公開。唐辛子は特産品だが、今回は市とは関係のない竜。だが市の職員は「干支(えと)でもありますし、藤井王将の撮影で使われたもの。新年に縁起がいいなと思いました」と話した。その他、両対局者の色紙や扇子も飾られる。