「光る君へ」道兼・玉置玲央“衝撃の初回”台本読み「これは嫌われ役(笑)」反響に感謝も“心配の種”は…
2024年04月07日 20:45
芸能
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。
第14回は「星落ちてなお」。老いが迫る藤原兼家(段田安則)は3兄弟を集め、長兄・藤原道隆(井浦新)を後継者に指名。父のために汚れ役を遂行してきた次兄・藤原道兼(玉置玲央)は納得いかず、激高してしまう。やがて兼家は逝去。跡を継いだ道隆が摂政になり、独裁を始める…という展開。
永祚2年(990年)、兼家は息子たちに「出家いたす。望み通り関白になったが、明日それを辞し、髪を下ろす。わしの跡は…道隆、おまえが継げ」と伝えた。道兼は黙っていられない。
道兼「父上の今日あるは、わたくしの働きがあってこそ。何故、兄上に」
兼家「黙れ!」「おまえのような人殺しに、一族の長が務まると思うのか」
道隆「人殺し…」
兼家「大それた望みを抱くなぞ、許し難し。下がれ」
道兼「(立ち上がり)父上こそ、帝の父の円融院に毒を盛り、花山院の女御様とそのお子を呪詛し、その挙げ句、殺め奉った張本人ではないか!」
兼家「道隆は何も知らずともよい。おまえはまっさらな道を行け。道兼はこれからも、我が家の汚れ仕事を担って、兄を支えてまいれ。それが嫌なら、身分を捨て、どこへでも流れて行くがよい」
道兼「この老いぼれが。とっとと死ね!」
この道兼の“捨て台詞”もインパクト大だったが、衝動に駆られた初回の行動もショッキングだった。
三郎(木村皐誠)と再び会う約束の日。山中、神社へのお礼参りから帰りを急ぐまひろ(落井実結子)は馬に乗った道兼の前に飛び出してしまい、道兼は落馬。兄との差、弟との言い争い…イラ立ちがピークに達していた道兼は逆上。従者の太刀を抜き、ちやはを背後から突き刺した。
紫式部の母は早くに亡くなった説があるが、道兼による惨殺は大石氏オリジナルの発想。まひろと道長の間に分厚い壁を設けた。
初回の台本を最初に読んだ時の印象について、玉置は「道兼に関する史料もそんなに多くはないので、今回は大石先生がフィクションを盛り込んで描く人物像なんだな、と。『あ、これはもう嫌われ役だな(笑)』というのが第一印象でした。『初回でこんな盛り上がりをつくっちゃうの?』という驚きはありましたけど、自分が演じるにあたっては意外と冷静に受け止めました。むしろ『この先、どういう流れになっちゃうの?』という好奇心の方が大きかったです」と述懐。
オンエア終了後、SNS上で道兼に対する“悪口”を目にし「案の定、視聴者の皆さんに嫌われましたね」と苦笑い。「それだけドラマに没入してくださったのかな、と。ありがたい反響でした。ただ一番心配だったのは、今回の道兼というキャラクターに対して第1回だけで結論を出されてしまうこと。それは何としても避けたいと強烈に感じました。第2回降も見続けてくだされば、道兼と父上の関係なども色々と分かってくるので『願わくば、まだ結論は出さないで』という思いは一生懸命伝えたつもりです。そのぐらい衝撃的なシーンだったんだなと実感しました」と明かした。
道兼は内裏に出仕しなくなり、酒浸りに。愛想を尽かした妻・藤原繁子(山田キヌヲ)と娘・藤原尊子(愛由)も屋敷を去った。3兄弟の行方は…。次回は第15回「おごれる者たち」(4月14日)が放送される。
=インタビュー(下)に続く=