やくみつる氏 豪快な相撲の裏に見た曙さんの繊細さ「きれいに守ろうとする精神がある横綱だった」
2024年04月13日 19:11
芸能
というのも、やく氏の印象では「曙のお相撲って、使われる時って負けている時の相撲の方が日ごろ多いんですよね」という。「北の湖もそうなんです。負ける相撲がフィーチャーされて、流されることが多いんですけど、今回は豪快に勝っている一番が使われていた」と解説した。
やく氏は「どこも触れていない」話として、曙の土俵入りについて思い出を語った。「曙の横綱土俵入りが、自分が見てきた中、せいぜい50年かちょっと、一番、型に忠実なんですよ。雲竜型のね、きれいな型なんです。曙の土俵入りがきれいだったって印象はないと思うんです。実は一番、基本に忠実だった」と熱弁した。
通常は「慣れてくると少しずつ崩れてくる」というが、「曙は意図的に戻すんですよ。いかん、いかんと。どこかで語っていたことがあるんですけど、時々、どこかで修正すると」という。
やく氏自身も、曙さんに直接尋ねたことがあるようで、「聞いたんです。そしたら、“戻している”と言っていましたのでね」と振り返った。
あらためて曙さんについて、「そんな昔からの形をきれいに守ろうとする精神というか、心意気というか、そういうのがある横綱だったんでね」とぽつり。大きな体格を武器にした豪快な相撲の裏にあった、繊細な一面を懐かしんだ。
曙さんは4月上旬、心不全のため東京都内の病院で死去した。