山崎隆之八段 らしい独創的な一手も「盛り上がって面白く指していきたいと…一瞬で破綻してしまった」
2024年06月06日 19:43
芸能
![山崎隆之八段 らしい独創的な一手も「盛り上がって面白く指していきたいと…一瞬で破綻してしまった」](/entertainment/news/2024/06/06/jpeg/20240606s000413F2591000p_view.webp)
山崎八段は終局後「午前中は息の長い戦いになるのかなと思って、それを目指す…長い戦いの中でどうやって面白い駒組にするかな~みたいなことは考えていたんですけども、ちょっと欲張った…先手番なので。突っ張ったからには突っ張った手を指さなければいけなかったのですけど」と率直な感想。そして「ちょっと後手後手を引いて、ペースを握られたまま押し切られてしまったかなという感じですね」としっかりした声で振り返った。
両者の対局は3度目で過去1勝1敗。前回対局は21年7月で、その竜王戦決勝トーナメントと8手目まで先後も同じ進行になった。初対局の18年9月の王位戦予選は後手山崎が角換わりを制し、前回も後手藤井が勝利。今回と同じ相掛かりだった前回は9手目、山崎が9筋の端歩を突いたが、今回は1筋の端歩を突いて違う将棋になった。そして昼食休憩直前、独創的棋風で知られる山崎から「らしい」37手目が飛び出した。王を中住まいに構えた山崎が7筋の歩を5段目へ突き出した。
この一手については「いうようなことを思ったので…う~ん…それはちょっと一瞬で破綻してしまったんで」と時折苦笑いを浮かべながら説明した。午後に向かっての対局を振り返る中では「すっぽ抜けてしまいました…ちょっとうっかりがあって。う~ん、藤井棋聖が相手なので、ちょっと普段より踏み込まなければ勝ち目がないのかなと思って」と山崎らしい素直な言葉も。全体を通して「駒組…ちょっと構想力が問われるような、息の長い将棋にしようとして欲張った指し手をしたんですけど、藤井棋聖に対応された手に対して、もうちょっとカウンター狙いでですね受けずに意欲的に指していかなければいけなかったかなと。そちらの方がまだいい勝負ができたのではないかなという思いはあります。予定と違うような戦いになったところで弱気になってしまったのは、挑戦者としては良くなかったのかなと思いました」と反省の言葉を並べた。
そして第2局に向けては「先手番を失って、後手番ということでより厳しくなると思いますが、より自分のベストを出し切って、もっといい将棋を指したい」と気持ちを切り替えていた。次局は17日、新潟市「高志の宿 高島屋」で行われる。