×

レッドソックス・吉田10号 イチに並んだ7戦連続マルチ安打で前半戦打率3位締め

2023年07月11日 02:30

野球

レッドソックス・吉田10号 イチに並んだ7戦連続マルチ安打で前半戦打率3位締め
8回に本塁打を放ったレッドソックスの吉田(AP) Photo By AP
 【ア・リーグ   レッドソックス4-3アスレチックス ( 2023年7月9日    ボストン )】 レッドソックス・吉田正尚外野手(29)が9日(日本時間10日)、本拠地でのアスレチックス戦で決勝の10号ソロを含む2安打。イチロー(マリナーズ)に並ぶ日本選手最長の7試合連続マルチ安打をマークした。リーグ3位の打率も・316に上昇。こちらもイチロー以来となるメジャー1年目での首位打者、さらに新人王をくっきりと視界に捉える。5連勝のチームとともに、吉田も最高の形で前半戦を締めくくった。
 逆方向へ、いかにも吉田らしい美しい放物線だった。決勝弾は8回。顎の高さほどの95・1マイル(約153キロ)の完全なボール球を、1メートル73の体を伸び上がらせて上から叩く。左翼の「グリーンモンスター」を軽々と越える勝ち越し10号ソロ。高さ11・3メートルの巨大な壁を越える一発はメジャー1号以来2本目だ。

 「ボール球だったけど、自分の中では打てるという感覚でバットを出した。最高の結果」。1点差の6回無死では中前打を放っており、今季のメジャー最長となる7試合連続マルチ安打。イチローに並ぶ日本選手最長記録に、普段は冷静な男も「うれしい、って言わせたいんでしょ」と破顔一笑だった。

 抜群の対応力が光る。7試合連続マルチ安打の期間、1~2打席目は14打数3安打の打率・214だが、3打席目以降は15打数12安打の同・800に跳ね上がる。試合中に修正を施し、序盤が駄目でも終盤に結果を出す。期間中は30打席で1三振。規定打席以上ではリーグで2番目に少ない36三振で、コンタクト能力の高さを武器にマルチ安打34度目はリーグトップタイだ。

 日本選手のメジャー1年目での2桁本塁打は9人目。吉田は両リーグトップの32本塁打のエンゼルス・大谷を引き合いに「1人はもう30本超えてますから」と笑いを誘った。世界一に輝いた今年3月のWBC。吉田は大谷の桁違いのパワーを目にし「僕はリトルリーガーです」と謙遜のコメントを口にした。体はリトルかもしれないが、打撃は大谷に負けずパワフル。マッチョマンは自身のバットでそれを証明している。

 打率・316はリーグ3位。こちらもイチロー以来の首位打者が視界に入る。5年総額9000万ドル(約127億8000万円)の大型契約に見合う堂々の活躍。アレックス・コーラ監督も「多くの人が(実力に)疑問を持っていたのを知っている。彼が今していることは、素晴らしい打者のすることだ。評価は“A”だよ」。地区最下位から後半戦の逆襲へ、吉田は「タフなゲームが続く。最後まで諦めずに上を目指す」と力強く口にした。

 ≪日本選手最長≫吉田が7試合連続マルチ安打。イチローが5度記録している日本選手の最長記録に並んだ。オリックス時代の17年8月に記録した6試合連続を抜いて自己最長に。球団の新人では1942年のジョニー・ペスキー以来81年ぶり。吉田同様に1メートル75と小柄な左打者で、「ミスターレッドソックス」と呼ばれレ軍監督も務めた。フェンウェイ・パークの右翼ポールは「ペスキーズ・ポール」と命名されている。メジャー最長は1923年ロジャース・ホーンスビー(カージナルス)の13試合。日本は52年後藤次男(阪神)、54年ルイス(毎日)、01年小笠原道大(日本ハム)の10試合。

おすすめテーマ

野球の2023年07月11日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム