天理15-14で初戦突破 1年生の弟・赤埴幸輝の適時打に奮い立った3年生の兄・克樹が逆転満塁弾

2023年07月11日 04:50

野球

天理15-14で初戦突破 1年生の弟・赤埴幸輝の適時打に奮い立った3年生の兄・克樹が逆転満塁弾
<天理・奈良大付>8回に逆転満塁弾を放ってガッツポーズしながら一塁へ駆け出す赤埴克樹(撮影・河合 洋介) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権奈良大会2回戦   天理15ー14奈良大付 ( 2023年7月10日    佐藤薬品スタジアム )】 奈良大会では夏連覇を目指す天理が難敵・奈良大付を15―14で下し、3回戦に進出した。3点劣勢の8回に赤埴(あかはに)兄弟の弟・幸輝(1年)の中前適時打や兄・克樹(3年)の逆転満塁本塁打などで一挙8得点し、乱打戦を制した。
 両校合わせて計34安打29得点。4回裏途中に降雨中断55分間を挟み3時間49分にも及んだ激闘に決着をつけたのは、天理の「赤埴兄弟」だ。7―10の8回、2点を返し、なおも1死満塁。「2番・捕手」赤埴克樹が打席に向かうと、弟・幸輝が一塁ベンチでつぶやいた。「本塁打、打ちそう」。その直後、兄は初球の内角スライダーを強振し、ベンチに向かって絶叫した。逆転満塁弾が左翼席に消えた。「気持ちが入っていたけど心の中は冷静でした」。途中出場の弟・幸輝は、8回無死二塁で1点差に迫る中前適時打を放っていた。兄は弟の一打に奮い立っていたのだ。

 2人は2学年差。兄の天理進学が決まったとき、「お兄ちゃんと一緒に甲子園に行く」と弟の夢も決まった。「全てを尊敬しています」と憧れる兄の背中を追いかけ、天理に入学。1年生ながらベンチ入りまで果たした。

 大会直前、不振に陥った弟に、兄は「初球から打ちにいく気持ちが大事や」と助言。その見本を示すかのように初球に狙いを定め、逆転満塁弾を決めた。弟は「お兄ちゃんが打つときは雰囲気で分かる。今日も打つと思っていました」と誇らしげ。一方の兄は「1年生なのに、チャンスで一本打てる打者になったのだな…と思った」と目を細めた。

 今夏が兄弟で甲子園に立てるラストチャンス。決勝弾を目の当たりにした弟は、さらに兄への尊敬の念を深めた。(河合 洋介)

《2季連続で天理に…》 <奈良大付>今春に続いて2季連続で天理と初戦で激突し、再び敗れた。最大4点劣勢から一時は逆転に成功し、8―7の7回1死二塁で途中出場の立石涼太(3年)が左越え2ランを放つなど、昨夏王者からの白星にあと一歩まで迫った。8回に試合をひっくり返された後も追いすがったが、あと1点届かず。武広祐樹主将(3年)は「悔いはない。初戦で天理と対戦できて、誰一人後悔はないと思う。いい試合はできたと思います」と涙をこらえて胸を張った。

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