【スポニチスカウト部(23)】霞ケ浦・木村優人 150キロ腕は最速更新で夢のプロ入りへ

2023年07月11日 06:00

野球

【スポニチスカウト部(23)】霞ケ浦・木村優人 150キロ腕は最速更新で夢のプロ入りへ
5月に茨城大会準々決勝の岩瀬日大戦で力投する霞ケ浦・木村 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第23回は霞ケ浦(茨城)の木村優人投手(3年)。今春、急成長を遂げた最速150キロ右腕は、夢のプロ入りをつかむため勝負の夏に全てを懸ける。 【ドラフト速報
 ノーブルホームスタジアム水戸に、どよめきが起こった。5月1日、春の茨城県大会準々決勝の岩瀬日大戦。7回からマウンドに立った木村の直球が、150キロを計測した。今春、しなやかなフォームから繰り出す切れのある直球でスカウト陣の評価を急上昇させた右腕は「ストレートは155キロ以上を出し、変化球も全球種で勝負できるようになりたい」と夢を語った。

 昨秋までの最速は145キロだったが、一冬越えて150キロを計測。秘訣(ひけつ)は「オフに取り組んだ股関節の可動域」だと明かした。柔らかく、しなやかなフォームを理想に掲げ、オフ期間は股関節のトレーニングに力を入れた。結果、柔軟性が増したことで投球時に踏み出す左足の歩幅が1歩広くなり「そのおかげでリリースポイントが前になり、強い球が投げられるようになった」と効果を実感している。

 春の県大会は準決勝で敗れたが、その後は練習試合で好投を続けた。強豪・前橋育英(群馬)相手には高校初のノーヒットノーランを達成。「強いチームに対して名前負けせずにこういう結果を残せたのは自信になる」と笑みを浮かべた。

 直球だけでなく、決め球のスプリットなど、変化球の精度の高さも木村の魅力だ。「どの球も自信があり、カウントを取る自信はある」と語る手先の器用さは、ボールに触れてきた時間の長さにある。小学生時代から家の中で常にボールを握っていたと言い「寝る寸前まで触れて、ボールを枕元に置いて寝ていた」。寮生活となった高校でもこの習慣は変わらず、「指先の感覚は他の人と比べたら器用です」と胸を張る。

 目標は高卒でのプロ入り。今春に確かな自信を得たからこそ「自分のピッチングを最大限出せれば結果は付いてくる。まずはチームの結果を最優先に腕を振りたい」と、勝負の夏へ覚悟を示した。(村井 樹)

 ≪兄・翔大は日本通運 ともにプロ入り目標≫3人兄弟の末っ子で、兄2人の影響で野球を始めた木村。6歳上の長男・翔大は、日本通運の内野手で今季がドラフト解禁となる社会人2年目。ドラフト候補にも挙がる選手で、木村は「今年は一緒にプロに入れるチャンスなのでそうなってほしい」と願っている。昨年末に帰省した際には兄ともプロ入りについて話したと言い「家族も期待していると思う。もし(プロで)対戦できたら抑える自信は半々ぐらいです」と笑みを浮かべた。

 

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