輝さんに感謝!変身で視界がパッ 阪神・森下、思い出の神宮で「記憶にない」2発 6番降格で発奮

2023年09月02日 05:15

野球

輝さんに感謝!変身で視界がパッ 阪神・森下、思い出の神宮で「記憶にない」2発 6番降格で発奮
<ヤ・神>トラッキーとアイブラックを指さす森下(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4-2ヤクルト ( 2023年9月1日    神宮 )】 阪神は1日、ヤクルトを4―2で下し、連敗を3で止めた。リーグ2位・広島が敗れたため、8月28日以来4日ぶりに優勝マジック「18」が再点灯。立役者は森下翔太外野手(23)だ。2回先頭でバックスクリーン直撃の先制7号ソロ、8回先頭で右中間へダメ押しの8号ソロを放ち、プロ初の1試合2本塁打をマーク。3番から6番への打順降格に発奮した。中大時代に慣れ親しんだ神宮の杜でかけた初アーチで、勝負の9月を最高の形で滑り出した。
 雌雄を決する9月を迎え、生まれ変わった森下がそこにいた。7月23日のヤクルト戦以来、6番での出陣となった一戦は、両目の下に黒色のアイブラックを塗って臨んだ。目下13打席連続無安打。深く心に期するところがあった。23歳のあどけなさは消え去り、雰囲気にどう猛さすら漂わせる。放たれる打球も力強さを増した。

 「(アイブラックは)全然打ってなかったので、自分の中で気持ちを改めるために。(佐藤)輝さんに“入れてみれば”って言われたんで“お願いします”と」

 視界がパッと開けた。2回先頭で迎えた第1打席、ロドリゲスがカウント1―1から投じたカットボールを逃さなかった。打球はバックスクリーンを直撃。8月25日の巨人戦以来、5戦23打席ぶりの放物線は、プロ入り後、神宮球場では初。さかのぼって中大時代、最後に打ったのが22年10月19日の日大戦。ドラフト会議直前でスカウト陣へのアピールに成功し、虎の1位指名につなげる一撃でもあった。

 「これだけお客さんが入る中で打つのは大学時代はなかった。(本塁打の)感触は変わらないけど、凄くいい心地よさがあった」

 8回先頭で飛び出した8号は、結果的に勝敗を大きく左右したと言っていい。カウント3―1から梅野が投じたド真ん中の直球を砕き、右中間最深部へ。白球は漆黒の夜空を誇らしげに舞い、そのまま失速することなくスタンドへと届いた。森下も「記憶にない」と語る1試合2発。この時点で4―0ながら、終わってみればスコアは4―2の僅差。追撃の一発がなければ、救援陣への重圧も大きく、試合の展開も変わっていたかもしれない。

 「6番に下がって、何とか勝利に貢献したかった。9月いいスタートが切れた。応援歌ができて打ってなかったので、初安打が本塁打になってよかった」

 8月29日に自身のヒッティングマーチがお披露目されながらも本来の姿は影を潜めていた。しかし沈黙から10打席目にして“応援歌”に応える快音を奏でた。月が変わればツキも変わる。いざセプテンバー・ヒート(熱き9月)の主役へ――。一皮むけた若き大砲が、猛虎のラストスパートをけん引する。 (八木 勇磨)

 ▽森下と神宮球場 中大4年秋、結果的に神宮でのラストゲームとなった22年10月19日の東都大学野球・日大戦で本塁打を記録。8回に公式戦9本目となる一発を左翼席へ運んだ。この日はドラフト会議前日で、スカウト陣への最後のアピール弾にもなった。

【データ】
 ○…森下(神)が2、8回にソロ。阪神新人のマルチ本塁打は、21年8月17日DeNA戦の佐藤輝以来、8人目(10度目)。
 ○…阪神に優勝へのマジック「18」が再点灯した。マジック対象チームの広島に全敗しても、その他の18試合に全勝すれば最終勝率で上回るため。現日程での最短Vは13日。
 ○…また、セ・リーグ最速で70勝に到達。08、21年の直近2度はV逸となったが、2位広島に6.5ゲーム差の今回はどうか。

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