ナ・リーグMVP候補のベッツは過負荷&低負荷トレーニングで30歳にしてバットスピードアップ

2023年09月02日 16:49

野球

ナ・リーグMVP候補のベッツは過負荷&低負荷トレーニングで30歳にしてバットスピードアップ
ドジャースのムーキー・ベッツ(AP) Photo By AP
 ドジャースのムーキー・ベッツ外野手(30)は、今季既にキャリアベストの38本塁打をかっ飛ばし、18年にア・リーグMVPに輝いた年の長打率、OPS(出塁率+長打率)に迫っている。ナ・リーグMVP争いで、先頭を走るブレーブスのロナルド・アクーニャに追いつき、追い越す勢いだ。
 ネットサイト「ザ・スコア」のトラヴィス・ソーチック記者が、30歳で再び進化したベッツについて特集、試合の前の準備で、重いバットと軽いバットを振る過負荷&低負荷トレーニングについて紹介している。

 レッドソックス時代、25歳でMVPに輝いたベッツは球界を代表するスターだが、昨オフ、ドジャースでの21年、22年の成績を振り返り「今年はもっと良くならないといけないと考えた」と振り返る。オールスターの常連だが、「ゴミのような成績。自分がなれるベストの選手になりたいのに、それができていなかった」と悔やむ。

 オフにドジャースのチームメートたちとシアトル郊外にあるトレーニング施設ドライブラインを訪ね、打撃部門のディレクター、タナー・ストーキー氏の指導を仰いだ。「自分一人ではできないことがある。結果が出なかったのは頑張りが足りなかったからではなく、正しい方向性に導く人が必要だった」と説明する。

 データを取り、生体力学的には良い評価を得た。それとともにバットスピードを上げるトレーニングに取り組み始めた。ゲームで使うバットより20%重いものと、20%軽いものを振る「過負荷&低負荷トレーニング」だ。

 近年のメジャーでは、投手が登板日ブルペンに入る前に、プライオボールという重いボールと軽いボールの両方を使ってアップすることが珍しくない。大谷翔平選手も取り入れており、日本のファンの間でも有名だが、その打者版を実行している。

 ベッツは試合の日、ルーティーンの打撃練習に加えて、これを30~40スイング行うそうだ。重いバットを振ることで筋力トレーニングになるし、軽いバットは速筋繊維の働きを促す。最適な動きを習得し、メカニックの効率性を上げる。功を奏し、ベッツのバットスピードは去年の平均71・7マイルから72・7マイルに上昇、打球速度の平均も90・5マイルから92・7マイルに上がった。

 言うまでもなくバット速度と打球速度は強い相関関係にある。30歳というのはプロアスリートにとって分岐点だ。年齢には勝てず、少しずつスピードを失っていくことになるが、ベッツはこの年齢で逆にスピードを増すことに成功した。食べ物とワークアウトの内容も工夫して、筋肉量そのものももアップ、体重は約10パウンド増えた。こうして今年はより強くボールを叩けている。

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