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【落合×福本豊対談】1065盗塁の健脚で現役20年足の故障なし 独自理論でマッサージせず

2024年04月29日 17:25

野球

【落合×福本豊対談】1065盗塁の健脚で現役20年足の故障なし 独自理論でマッサージせず
対談後に記念撮影をする落合博満氏(左)と福本豊氏(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が29日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第7回目として、当時世界記録だったプロ通算1065盗塁を誇る「世界の盗塁王」こと福本豊氏(76)をゲストに招いて対談を行った。
 福本氏は「体も故障なかったし。肘だけパンクして」と話すと、落合氏は「晩年、肘ね。サポーター巻いてやってましたもんね」と当時の福本氏の様子を説明した。福本氏は「1週間、監督が休ませてくれてたら治っとったね。優勝争いしてるから休ませてください言うてもあかんかった。バケツに氷入れて冷やしてチェンジになったら(守りにいった)。ファウル1本打ったらめちゃくちゃ響いてもうあかんのですよ。審判にごめん、待ってって言ってやったりして」と振り返った。

 落合氏が「足の故障はなし?」と聞くと、現役生活20年の福本氏は「なし」と即答。「あれだけ走って肉離れはなし」と言うと、落合氏は「やっぱり普段から走ってるからですよ」と指摘した。福本氏は「阪急の時、高知のキャンプに行くと、朝球場入ったらスパイク履いて、スパイクで入ってアップ始まって終わるまで脱ぐことないもんね」と当時は常にスパイクを履いて練習していたという。

 自身がコーチ時代はトレーニングコーチがランニングシューズを履いてアップさせようとした時には「何でやねん、今から野球すんのやろ?言うて。大橋(穣)さんと2人でケンカしたことある」と選手に常にスパイクを履くように指導したという。その理由として「スパイク履いて今からこの足、この筋肉を使うんですよ。アップでゆっくり体に、足に教えてやらないかん。急にばっと走られへんから慣らしをスパイクを履いたままでやらなあかんのや」と説明した。

 福本氏は続けて「1日中履いたら知らないうちにものすごい疲れるけど、知らないうちに強くなっているのは自分やったんですよね。他の選手は強い人、弱い人はあるけど、僕だけは強くなっていってほんまに故障なかったですね」と振り返った。

 1度だけアキレス腱が「グチ、グチ」と音がしたそうだが、診察した医師からは「音がしてるうちは切れへんから。忘れたころに切れんねん。そこだけ気いつけ。足首をくるくる回してスムーズに動いてる時はええ。ちょっと動きの悪い時は気をつけや」と言われたという。肉離れも「1年目にやりそうやないうのはあったけど、後は全くないですね。走らされてしんど言うだけで。知らないうちにトレーニングになってたんですね」と明かした。

 落合氏も「昔のアップっていうのは、スパイクが原則でしたもんね」と回想。福本氏も「人工芝でもスパイクで走ったりするんやから慣らしとかなあかん。覚えさせとかな、体に」と力説した。福本氏は続けて「肉離れして故障の選手が運動靴でアップしてブラブラするけど、グラウンドをブラブラする時もスパイクを履いて球拾い。ブラブラ歩いて足にちょっとずつ負担をかけて教えるっていうのが、大事やでって僕は言うんですよ」と持論を展開した。

 落合氏は「今、監督、コーチになったとしてそれは実践します?」と質問すると、福本氏は「絶対ね。慣らしで」と返答。「いっぺんにがっとやれへんやないですか。今の選手は2月からずっとやってきて(終盤で)へばってきてパンクして。何でこんな時にパンクするの?秋口になってきたら1番体ができて強い、いい時やのに足、もも、ふくらはぎを(故障するのは)おかしいなっていつも思いますね。ちょっと張ってきたなってあるけど。張ってきたら言わなあかん」と話した。 

 福本氏は独自のコンディショニング理論を明かした。「肘はちょっとやってもらうことはあったんですが、足のマッサージしたことないんですよ。トレーナーにせっかくつくった足、また筋肉なくなったらあかんがな言いながら。(体重が)軽い方のトレーナーに後ろのもものところに乗ってもらって。30秒くらい。それが自分のマッサージで終わりです。風呂入ってゆっくり温かいの入って、体を温めて。もし張ったなっていう時はトレーナーにぽんぽんぽんと踏んでもらって治療終わりです。ちょっとそれは不思議」と明かした。

 落合氏は「普通、年齢がかさんでくるとトレーナーの…」と話しかけると、福本氏は「みんなマッサージやるでしょ。せっかく体つくったのに緩めたらあかんって僕はせんかったんですよ。一生懸命走って、結果筋肉つくってんのに。張ってるのを取ってしまうのがええのか、悪いのかわからんけど、またゼロからつくらなあかんやん。強くなっていかんやろ。次の日あかんかったらそれに合わせてガッとやるんじゃなしにゆっくりやっていって、また次の日慣れてきたら強弱をつけて鍛えられんのちゃうのという。(筋肉が)ゴムみたいにならなあかんやろ」と持論を展開した。

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