矢野燿大氏 大山の決勝打は状態をさらに上げるきっかけになる一打 起用に応えた糸原も大きな仕事をした

2024年04月29日 05:15

野球

矢野燿大氏 大山の決勝打は状態をさらに上げるきっかけになる一打 起用に応えた糸原も大きな仕事をした
矢野燿大氏 Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4ー3ヤクルト ( 2024年4月28日    甲子園 )】 【矢野燿大 視点】「野球は2死から」の言葉の重みを感じさせる逆転勝利だった。阪神は近本の併殺で終わったかに思えた7回の攻撃で、中野と森下が安打でつなぎ、4番・大山に打席を回した。これが大きかった。
 長く甲子園で野球をしてきたが、あまり見たことがない打球だ。高く上がった大山の打球に、下がって守っていた左翼サンタナが届かない。ヤクルトの風の計算とポジショニングの盲点の中に打球が落ちて、逆転。奇麗なヒットではなかったが、この逆転の打点は大山の状態をさらに上げるきっかけになると思う。

 起用した選手が試合の流れをつくったのも大きい。今季初スタメンの糸原が3安打。2回の先制適時打はフォークをしっかり拾ったレベルの高い一打で、逆方向に運んだ4回の左前打も、磨いた技を発揮した。代打としての役目を果たすだけでなく、スタメンで出るための準備も欠かさなかった姿勢が結果に結びついた。糸原にとってもベンチにとっても大きな仕事だった。

 佐藤輝も当然、刺激を受ける。8回2死二塁での代打も岡田監督からのメッセージの意味があったと思う。木浪も原口もいたが、佐藤輝を指名した。結果を出せなかった悔しさは練習にぶつけるしかない。現状は急に良くなるものではないかもしれないが、やらないと良くならない。それは確かだ。(スポニチ本紙評論家)

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