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広島・田中が意地の一発 “不敗神話”ストップも… 新井監督「技術と経験が詰まった凄いホームラン」

2024年06月03日 05:45

野球

広島・田中が意地の一発 “不敗神話”ストップも… 新井監督「技術と経験が詰まった凄いホームラン」
<ソ・広>9回、同点3ランを放つ田中(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【交流戦   広島3-5ソフトバンク ( 2024年6月2日    みずほペイペイ )】 広島は2日、ソフトバンクに延長10回サヨナラ負けを喫し、今季2度目の4連敗で首位から陥落した。それでも、0―3の9回2死一、二塁から田中広輔内野手(34)が一時同点の右越え3ランを放ち、意地を見せた。田中が本塁打した試合は12連勝中だったが、不敗神話はストップ。チームはソフトバンク戦で交流戦全カードを通じて最低の勝率・292と大の苦手にしており、福岡での同戦は2分けを挟んで7連敗となった。
 起死回生の一撃に、真っ赤に染まった左翼席が沸いた。0―3の9回2死一、二塁だ。7回の代打から三塁の守備に入っていた田中が、ヘルナンデスの高め直球を仕留めると、右手を突き上げた。大きな弧を描いた打球は右翼席へ。土壇場で試合を振り出しに戻す一時同点の2号3ランとなった。

 「(ヘルナンデスが)いい投手だというのは分かっていた。初球に内角に来たので、割り切って、もう来ないと信じて、踏み込んで打った」

 試合前の時点で12試合無失点だった左腕から一挙3点を奪った。3月31日のDeNA戦以来、出場29試合、49打席ぶりの一発。涙して喜ぶコイ党もいた。

 「うれしいですね。もっともっと頑張らないといけないと思いますし、そこは選手冥利(みょうり)に尽きる」

 誰もが待ち望んでいた得点だった。前日は打線が沈黙して今季9度目の零敗。この日は拙攻が目立った。3回1死一、三塁では野間の一直で、スタートを切っていた一塁走者の秋山が戻り切れずに併殺。6回は1死一、二塁から小園が二ゴロ、なおも2死一、三塁では末包が三ゴロに倒れるなど、ホームが遠い状況が続いていた。

 5月30日オリックス戦の4回に九里が右犠飛を放ってから、この試合の9回まで計22度得点圏の打席があったが、全て得点につなげられていなかった。その状況をベンチで見つめていた田中は「いろいろ見ながら、僕だったら“こういうふうに入るな”とか、自分で思い描きながら準備していた」。この日、途中出場から結果で応えた。新井監督からは「技術と経験が詰まった、凄いホームランだった」と称えられた。

 チームは今季3度目のサヨナラ負け。西武に勝った巨人に首位の座を明け渡した。福岡でのソフトバンク戦は2分けを挟んで7連敗。同戦の通算成績は24勝46敗6分けで12球団の交流戦全カード中ワーストの勝率・292と相性の悪さが際立つ中、11年目のベテランの奮起が、今後の戦いへ光をともした。(長谷川 凡記)

 《“鬼門”ペイペイドームで7敗2分け》広島は今季2度目の4連敗で、3度目の同一カード3連戦全敗。みずほペイペイドームでは18年6月17日の勝利を最後に21、22、24年の計9試合で7敗2分け。ソフトバンク戦は17年から開催7年連続の負け越しで、通算勝率.292(19勝46敗6分け)は、12球団の交流戦36カードの通算勝率の中でワースト。2番目に低いDeNAのソフトバンク戦が勝率.338(22勝43敗3分け)のため、唯一の勝率2割台と苦戦している。

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