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京都国際がサヨナラで初優勝 受け継がれたサウスポーの系譜、2年生・西村が2失点完投

2024年06月03日 05:30

野球

京都国際がサヨナラで初優勝 受け継がれたサウスポーの系譜、2年生・西村が2失点完投
<京都国際・智弁和歌山>優勝した京都国際ナイン(撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 【高校野球春季近畿大会決勝   京都国際3―2智弁和歌山 ( 2024年6月2日    明石トーカロ )】 春季高校野球近畿大会決勝が行われ、京都国際(京都1位)が智弁和歌山(和歌山1位)に3―2で9回サヨナラ勝ち。春秋通じて初優勝を果たした。先発した背番号11の左腕・西村一毅投手(2年)が2失点完投で頂点に導いた。
 受け継がれてきたサウスポーの系譜が、京都国際を変えた。強力打線を被安打5に抑えた2年生左腕の西村は、「試合前は、打たれるかな…と心配でした」と頭をかく。初戦敗退の今春選抜は登録外で、春季大会で背番号11を与えられた新戦力。近畿大会の計3試合で2度の先発を任され、2完投と輝いた。

 背番1を背負う1学年上の中崎琉生は、4月の高校日本代表候補選手の強化合宿に招集された同じ左投手。その先輩から「お前なら抑えられる。自信を持って投げろ」と背中を押された。試合終盤にブルペンで中崎が肩を温め始めると「絶対に投げさせない」と力が入った。9回110球で2失点の力投が、裏の攻撃で2死二塁から2球連続暴投による劇勝で報われた。

 左腕の好投手の輩出が続く。同校では、DeNAの森下瑠大(22年ドラフト4位)、広島の杉原望来(23年同育成3位)、ソフトバンクの長水啓真(23年同育成8位)と直近2年で左腕3人がプロ入り。西村は、21年夏の甲子園で熱投する森下の姿に憧れ、同校進学を決意した。昨年末に森下が学校を訪れた際には「オーラが凄かった。これがプロ野球選手の球なのか」と驚き、緊張から話しかけることもできなかった。

 小牧憲継監督は「森下みたいになりたい、と来てくれる。活躍が受け継がれ、伝統になってきたのかな」と話した。今大会で登板したのは、中崎と西村の左腕2人。先輩の背中を追い続けた投手陣の努力は、近畿を制する左腕王国へとつながった。 (河合 洋介)

 ◇西村 一毅(にしむら・いっき)2007年(平19)7月7日生まれ、滋賀県甲賀市出身の16歳。小2から水口少年野球団で野球を始め、中学では近江ボーイズに所属。京都国際では1年秋に背番号11でベンチ入り。今春の選抜では登録外だった。1メートル77、66キロ。50メートル走6秒2、遠投80メートル。左投げ左打ち。

 《ミスが響いて…》智弁和歌山は守備のほころびから2年ぶり4度目の優勝を逃した。2―1の7回は失策が絡んで同点に追いつかれ、同点の9回は2死二塁から2番手・中西琉輝矢(るきや=3年)の2球連続暴投でサヨナラの生還を許した。2イニングともに無安打で失点しただけに、中谷仁監督は「ミスをしてはいけないわけではないが、ミスからの失点は返ってこない。夏に向けて、やるべきことが明確になった」と反省した。

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