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日本ハム・福島がプロ初勝利! 自己最長7回を5安打2失点 ウイニングボールは「家族に渡したい」

2024年06月03日 06:00

野球

日本ハム・福島がプロ初勝利! 自己最長7回を5安打2失点 ウイニングボールは「家族に渡したい」
<日・D>新庄監督(右)ポーズを決める福島(撮影・高橋 茂夫) Photo By スポニチ
 【交流戦   日本ハム9―2DeNA ( 2024年6月2日    エスコンF )】 今季開幕直前に支配下登録された日本ハム・福島蓮投手(21)が2日、DeNA戦に先発し、「5度目の挑戦」で待望のプロ初勝利を手に入れた。自己最長となる7回を投げ、自己最多100球で5安打2失点の好投。1軍デビューとなった4月17日のソフトバンク戦から5試合目にして、ようやく白星が舞い込んだ。チームも連敗を2で止め、貯金も8に戻した。
 緊張で足が震えたプロ初先発。前回登板はリリーフが逆転され、プロ初勝利が幻となって消えた。このまま勝てないのかもしれない――。そんな不安にさいなまれる日々にも、21歳は立ち向かった。今季5度目の登板で、ようやく手にしたプロ初白星。ゲームセットの瞬間、福島の周りには笑顔が広がった。

 「やっぱり、うれしいですね。(ウイニングボールは)家族に渡したい」

 初回、先頭に四球を与えるも無失点スタート。3回は犠飛、4回は3連打でともに失点するも最少失点で踏ん張った。プロ入り後自己最長の7回100球を投げ、5安打2失点の粘投。新庄監督は「今日は100球と決まっていて、ちょうど100球でプロ野球人生のスタートを切った。100勝目も100球で終われば素敵なこと」と称賛した。

 青森・八戸西から21年育成ドラフト1位で入団。1年目の新人合同自主トレでは達、畔柳、松浦、北山といずれも150キロ超の同期に圧倒された。「全員が球が速すぎて…。正直、この世界でやっていけるか不安になった」と福島。ただ、白井康勝担当スカウトには常々「焦らなくていい」と諭されながら鍛錬を続けた。

 忘れられない出来事がある。1年目だった22年9月25日の楽天戦(札幌ドーム)。高卒同期の達、畔柳、松浦の3投手が1軍に招集され、プロ初登板を果たした。「同期の投手では僕と柳川だけ投げられなかった。あれは悔しかったですね」。千葉・鎌ケ谷の2軍寮のロビーで、テレビを通じて見た同期の華々しい1軍デビューを目に焼き付けた。

 自分とも向き合った。1年目は少しでも大きく見せようと、体重65キロも登録体重は5キロ水増しした。偽りの自分とおさらばし、2年目からは正式体重で登録。ごまかす必要がないよう自らに食事トレーニングを課し、昨秋には人生最重量となる78キロにまで到達し、最速153キロを継続するまでに成長を遂げた。

 この日、家族が青森から駆けつけていた。初のお立ち台で「今まで育ててくれてありがとうございます」と、感謝の言葉を口にした右腕は続けた。「これから勝ちを積み重ねていきたい」。この1勝から、福島の輝かしいキャリアが始まった。(清藤 駿太)

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